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入局の春

加藤「たっく〜ん」 このねこ撫で声……間違いなく仕事を振られる…… 佐々木「今度は何?」 加藤「入局してくる子の指導医代わってくれない?」 佐々木「無理笑」 この話は竹内先生が入局一年目の頃の話…… 当時学生指導もしていたし、俺の手を離れたと言っても佐藤先生のこともフォローしていたからさすがに俺にも余裕はなかった 市村先生の指導医を依頼された時は青木先生にお願いして代わってもらっていたからな……今回ばかりは青木先生に頼れないようだな ついに逃げられないな加藤先生……ハハッ ・ ・ ・ 3月下旬…… まだ肌寒い頃、初々しい先生が仲間に加わった…… 岸本「今年は入局者0人かと思いましたがギリギリ小児科希望だった竹内 旭(あさひ)先生が入局してくれました!!」 背がスラッと高く小児科希望だけあってふんわりと爽やかな笑顔を振りまき、名の通り太陽のように眩しく輝く先生が、ドSしかいないこの診療科に優しい風を吹かせた…… 岸本「指導医の加藤先生」 竹内「よろしくお願いします」 加藤「俺全然優しくしないから」 竹内「知ってます笑」 研修医時代にペアだった竹内先生をこの科に引き込んだの加藤先生だからな、よほど竹内先生が気に入ったんだろうな。 数いる研修医で勧誘したのは竹内先生だけ…… 加藤「朝診察行くよ」 竹内「はい!」 ・ ・ ・ 加藤「火、木、土は内診必須だけど、他の曜日もポケットには常にローション入れておいて」 竹内「はい!」 加藤「こらそこ!朝診察始まるぞ!部屋戻ってパンツ脱いで待ってろ」 子供「はい!!(ヤベッ」 思春期泌尿器科……最後の最後まで入局を本当に迷った 毎日どこかで子供の泣き叫ぶ声……痛がる声が聞こえる環境で仕事をしていく事ができるのか? 治療の他にも学校へ通えない子達の学習面のサポート、生活指導…… 医者の仕事以上の事を求められる…… 何より、この科の先生達はとにかくS……いや、ドS…… 毎日のように叱るし、お尻叩くし、泣けば更に痛くするし…… 他の科ではありえないことが多すぎて麻痺してくる…… でも…… この科の先生達は治すことに貪欲で……情熱的で……愛情深く子供達に向き合う…… そんな先生達の背中を追ってみたくなったんだ……

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