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第8話 より『選ばれた果実』
挿入した瞬間、今までに感じたことのない『気持ち良さ感じた』僕は、お尻の穴がドクンドクンと脈打ってた。
「ぁあぁ……。だめぇ!!」
「蜜柑くんまたイっちゃったね」
精液が出てない……なんで…?
確かにイったと思うほど、それ以上に気持ちが良いのに。
「ドライか。……メスイキなんて凄い才能だね。沢山擦ってやるから、沢山イきな」
先輩が腰を振り始めたら、僕はイきっぱなしだった。
「ああっやらぁ、……っらめぇっ!!」
先輩は僕のモノに触れて、
「これは『モノ』じゃなくて『おちんちん』」
触らないで。
……壊れちゃう。
「『穴』じゃなくて『けつまん』」
僕は『おちんちん』でも『けつまん』でも何でも言うから。
こんなに『気持ち良く』してくれるなら、何度でも言うから。
僕は何度精液を出さずにイったのか分からない。
「………じんじんする」
じんじんするのは沢山擦ってもらった『けつまんの気持ち良さ』と左頬の痛みだった。
僕の頭を押さえているのは先輩と、見たことがない人の二人が僕を上から見ていた。
僕は、先輩から鏡を渡されて……左頬を見た。
いつの間にか『左頬に有った逆十字のタトゥー』があった。
痛みは……これだ。
「……大丈夫ですか、東雲 蜜柑くん」
「蜜柑くんは部活に入ってなかったね。君を『読書倶楽部』に入れてあげる」
目の前にはさっき僕を食べた先輩ともう1人、三年生の校章を付けた人がいた。
どうやらこの人が僕の左頬に逆十字のタトゥーをいれたらしい。
「俺は『読書倶楽部』の部長。彼は『図書委員』の委員長。……蜜柑くんは俺達に選ばれた『美味しい果実』だ」
部長はさっきと全く違う爽やかな笑顔で僕に笑いかけた。
「……明日は私が『愛でてあげます』からね」
図書委員の委員長はタトゥーなんて彫れるように見えない、優しい笑顔で僕に笑いかけた。
僕はこの二人に選ばれた『果実』で嬉しくて仕方がなかった。
この人達が『僕にキズを刻んでくれた』。
林檎じゃなくて……僕を選んでくれた。
ただそれだけのことが嬉しかった。
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