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第16話 余裕
僕は慌てて図書室に入ったら、部長と委員長がいた。
「蜜柑くん?」
「どうしたんだ」
二人は息を切らした僕の慌てぶりを見て微笑んでいた。
「匿ってください!!」
僕がそう言うと、委員長は余裕を見せながら手を差し伸べてきた。
「弟くんがそんなに怖いんだ」
躊躇いもなく僕は委員長の手を取った。
「私が君を隠してあげる」
そう言って司書室に招かれた。
僕は部長を見ると、
「今日は蜜柑はコイツに可愛がってもらいな」
『蜜柑』、呼び捨ててくれた。
「弟の見張り役は俺だな」
……部長。
「私は早く蜜柑くんの味見をしたいですね。さぁら入って」
委員長は僕の手を引いて、一緒に司書室……『篭の中』に入った。
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