「どうして謝るんだ。かわいかったよ、理人」 「――怒ってない…？」 「もっとお前のことが好きになった」 　はしたないことをした俺の背中に、脩一が指先が滑らせた。 　背骨の上を辿り、りと、と名前を書いて、そして爪の先を立てながら、彼の指は見えないところへと進んでいく。 「しゅうちゃん――？」 　まだじんじんと火照っている体が、うつ伏せのまま跳ねた。 　脩一が、とても恥ずかしい場所を指で撫でたから。 「…そのままにしてろ」 「え…」 　ベッドヘッドで物音がしたが、聞こえないふりをした。 　さっき撫でられた場所に冷たい何かが滴る。また指が、やってくる。 「……あ…あ……」 　体を縮めて羞恥に耐える。ぬるぬるとした液体が、俺の足の間を濡らしていく。 　思わず揺らした尻を脩一の手が割り開く。 「そんなところ…っ」 　汚いよ、と言おうとして、信じられないような脩一の行為に、言葉を飲み込んだ。 　シーツを噛んで悲鳴を上げないように我慢する。 　脩一の舌先が、俺の体の中へ入ってくる。怖がらせないように少しずつ。 　冷たかった液体が彼の舌で温められて、狭いところを潤していく。 「はあっ、あん、あ…ん」 　こんな声、今まで出したことがない。 　自分さえも知らない声を響かせながらシーツを握り締める。 　恥ずかしくてたまらないはずなのに、いつの間にか、もっとしてほしいみたいに膝を立てていた。 「しゅうちゃん――」 　不意打ちのように、ぐ、と舌先が中を抉ってきて、意識が掻き消えそうになる。 「いい…っ、…ああっ…」 　脩一が俺をおかしくする。 　濡れた音とともに舌が出て行き、もっと固い、長い指が忍んできた。 　こんな場所に脩一の指を飲み込んで、俺は止まらない声を上げている。