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49 止めることはできない 3
「しゅうちゃん……きもち、いい」
「痛くないか? ちゃんと、いいか?」
「いい――好き。…す…き」
初めてのセックスでこんなに感じている俺は、とてもいやらしい人間なのかもしれない。
脩一の唇も舌も指も、何もかもが気持ちよくて、もっとしてほしくなる。
脩一の指が、二本、三本と増えた。
小刻みに中で震わされ、触ってもいない自分の性器が、ぶるん、と頭を擡げた。
脩一のもう片方の手が逃がすことなくそれを握る。
優しく揉み込まれ、前と後ろを別のリズムで甚振られて、また射精感に負けそうになる。
「おかしくなりそう……っ」
しゅうちゃん、しゅうちゃん、と途切れた声で彼を呼んだ。
喉がからからだった。水を飲む代わりにキスをして、シーツの上の体をくねらせる。
反転した自分の視界に部屋の天井が一瞬霞み、すぐに脩一の顔が目の前を覆い尽くした。
凛々しい彼の両目が、今は欲情で蕩けている。
こんなに熱で潤んだ目を自分がさせているのかと思うと、たまらなく嬉しくなった。
脩一が欲しい。もっとこの目で、見詰められたい。
「理人――」
「しゅうちゃん……っ、――脩一」
「好きだ」
何度目かもう分からないキス。
どろどろに溶けて解された場所へ、脩一が屹立をあてがう。
はちきれそうな彼の性器が自分を貫いていく。痛い。痛くて、熱い。直に感じる脩一の体温…。
「んあっ、あ――っ」
「理人……理人」
「……ううっ、んっ。んっ」
脩一が抱き締めていてくれる。俺を守るように、ぎゅっと。
立てた膝を震わせて自分も脩一の体を挟み込む。首に両腕を回してしがみ付く。
深いところに脩一の先端が届いた。
そのまま動かないでいてくれる優しさが、こんな瞬間にまで脩一は脩一なんだ、と、涙が滲むくらいいとおしかった。
「しゅうちゃん……大好き」
ふるっ、と脩一は前髪を振った。
そして耳朶に噛み付いてきて、痛みと紙一重のあやしい悦びまで教えてくれる。
深く突き刺したまま、脩一はゆっくりと腰を回した。
大きく足を開かされて揺さぶられる。自分の中に埋まった脩一の形を、体が覚えていく。
「は……っ、あっ」
「めちゃくちゃに、するぞ」
「うん……っ」
「――俺のこと、嫌いになるなよ」
「ならない――絶対」
脩一が腰を引く。ぬかるんだ粘膜が彼を追い駆ける。
圧迫感がまたやってきて、慣れ始めたばかりの俺の内側を擦り立てた。
「んっ、んんっ」
何度も中を往復されて、より深い快感が痛みを忘れさせた。
めちゃくちゃになっていく。彼の熱と自分の熱がかき混ぜられて、もっともっと熱くなる。
「理人、理人っ」
「はあっ、あっ、ああっ」
激しい抽送で性器が揺れる。淫靡な雫を垂らしながら。
「理人――」
擦られた一点に、他とは比べようもないほど悦楽を感じた。
そこを突いてほしくて貪欲に腰を揺らめかす。いやらしい子だと、脩一が耳元で囁いた。
「しゅうちゃんが俺を変にする……っ」
甘い罰を与えるように、脩一は悦いところばかりを責めてきた。
一点だけを突き上げられて、叫ぶような声を出して、俺は脩一の髪を握り締めた。
「いっちゃう――脩一……!」
「俺、も」
「ああっ! あっ、あ――!」
激しい波が、俺と脩一を攫って行く。
「しゅうちゃん……っ」
「理人――」
脩一を締め付けて、本能の赴くままに体を委ねた。
二人で一緒に弾ける。体内で感じる脩一の痙攣が、長く尾をひいて自分を狂わせる。
止まらない悦楽に啜り泣いて、脩一を抱き締めたまま彼を呼び続けた。
もっとして。まだ足りない、とねだる俺を、脩一は時間を忘れて愛してくれた。
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