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運命の相手

「気持ちいいな」 頼理さまの寝言にふと目が覚めた。 (え?なんで?) 自分が置かれている状況を把握するまで少し時間がかかった。 別々の布団で寝ていたはずなのに。気づいたら頼理さまが僕の傍らに寄り添い、包み込むように両手で抱き締められていたから心臓が止まるんじゃないか、そのくらい驚いた。 眠気が一瞬で吹き飛んだ。 心臓の音が聞こえるのではないかと思うほど激しく高鳴る。 顔まで熱くなってくる。 「引き離すか?」 白鬼丸の声が聞こえてきたからどきっとした。 「りんが寝たあと、寝顔が可愛すぎて悶々して眠れないと一人で騒いでいたぞ。りんは熟睡していたから全然知らないと思うが。結局のところ寒さには勝てずりんの布団に潜り込んだんだ。あとで外を見たらいい、雪が降っているぞ」 「夏なのに?」 「どうやら異常気象は現代だけの問題ではないみたいだな」 白鬼丸が畳の上にごろんと横になった。 「お願いだから布団を掛けて寝て。風邪をひいたら大変だから」 「あやかしは風邪をひかない。ありがとうな、心配してくれて」 照れてるのかな?ごほんごほんとわざとらしい咳払いを二回もしていた。 熟睡する頼理さまを起こさないようにそっと静かに布団を抜け出した。 「白鬼丸、頼理さまをお願いね」 小声で声を掛けてから台所へ向かった。

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