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10.初の朝食と初対面の学園生徒騒動

4月1日 今日から4月か今日は帰省中の生徒達が全員戻ってくるらしい。 割合は7割だそうだ、昨日は寮も静かだったけどそれ程少なかったって事か そして明日は1年生が入寮してくる 急にバタバタするなぁ、まぁ俺は関係ないとこの時は楽観視してた…… 「うーーん、ん?蒼空って寝顔も可愛いな」 「嬉しいな翔馬おはよっ」 顔引き寄せられて……チュッ 「ウワッ!不意打ちだな……ってか起きてたのかよ!全く」 俺がシャワー浴びようとしたら乱入してきて一緒に浴びた。 流石に昨日の事があってかエロい展開にまでならなかった 「おいちょっとあざになってるじゃん、本当にもう痛くねぇのか?」 「うん、まぁ何とか大丈夫だよ。朝どうすればいんだろう?」 「ごめんなお前来たばかりだし買い出ししてないから朝はレストラン下の階にあるから行こうぜ?」 生徒の集まる食堂…… 「あのさ……そのレストランって生徒会の人達は?」 「青山会長は自炊派で滅多には来ないよ。他の役員達は通りすがるけどあの奥にある生徒会専用個室があるからそこで食べてるから大丈夫だと思うよ」 「分かった、じゃあ行こうか?」 どうやら2階がレストランみたいでまた場違いなほど高級感溢れてる。 それなりな人数の生徒たちが既に来ていた。 俺が入ると一気に静まり視線が集まった。 いや普通に怖いよ……なに? 次の瞬間ガヤガヤし始め睨まれながらあちこちでコソコソ話し始めた 「気にすんな翔馬行こうぜ?」 進む度に声が聞こえてくる 「ねぇ蒼空ちゃんそいつ誰?もしかして例の奴?」 もはやどこから言ってるか分からないけど声はする 「そうだよ……ジロジロ見んな一々」 「えーーーアイツが例の編入生? ブスで品層もなさそうだしどんな汚い手使って入ったんだよアイツ」 「なんだ可愛くもイケメンですらねぇブスとしか言いようがねぇじゃねーかよ」 「超がっかりだよねぇ」「期待外れー」「あんな編入生僕いらなーい」「田舎に帰れー場違い野郎!」「学園の恥になるだろうが!消え失せろー凡人!」 「蒼空ちゃーんそんなゴミクズより俺らと食おうぜ?」 「嫌だね……フンッ!」 どいつもコイツも言いたい放題言いやがって……流石に平和主義でもぶっ飛ばしたくなってきた、有名人の苛立つ気持ち少し分かるかも…… 俺が凡人ならテメェらはただの凡々だろうが! と心で返すのがやっとです……トホホ 「シカトしとけ、それよりここでカードをかざして好きなのが注文できるから後は席で待つだけ、出来たら取りに行けばいいから」 「分かった……ありがと」 食べ物は種類満載でファミレスみたい…… 機械は何台もあるから長い列にまではならない 俺は朝だけはあんま食べない方でうどんとミニサラダにした 蒼空は洋食にメロンパンも頼んでた。俺の大好物なんだよね 座って待ってる間も視線が痛いし陰口やヤジは続けていた それは生徒が増えれば増える程だ。 誰にも歓迎されてない証拠だね…… 冷静を振舞ってるけど早くもメンタル崩壊しそう……でも考えてみれば、たまたま蒼空みたいないい奴に出会っただけで歓迎されないのが普通なんだよねこういう学園タイプの学校って…… そういえば彰達はどうしてるんだろう? 「蒼空ちゃんコレと同室なんてかわいそうだね?俺が変わってあげようか?」 「来なくていいし、余計なお世話だ!バーカ」 これ扱い…… ってか俺蒼空を巻き込んでないか? 「はぁ予想してたけど蒼空が特別なだけで大半はよく思ってないみたいだね、見た目もだけど……」 「なに弱気になってんだ?一々相手にしなきゃいいだけだろ?言ったろ俺は味方だってだから心配すんな」 「でもさ俺は……」 言いかけてたら後ろから声がした 「やぁやぁおはよう翔ちゃん。 もう電話出ないし部屋にも居ないからもしかしてと思って来てみれば僕の案内なしに勝手に食堂なんかに来てダメじゃないか」 この声は……振り向かなくてもう分かる 蒼空は震え始めて下を向いてしまった、生徒会長だ でもどういう事?使っちゃいけなかったのかな? でも父さんはカードくれたし…… 「えっ俺食堂利用しちゃダメだったんですか?」 ってか……その前にさぁ キャーーーー会長様ーー 今日もお綺麗ですよー あー俺も抱いてみてぇー 会長様素敵ーーー 周りマジうるさ! なんなのマジでアイドル並みな騒ぎじゃん 俺には恐怖でしかないんだけど 「だって必要ないでしょ? 僕が愛情込めて翔ちゃんの為に作った朝食を用意したんだから翔ちゃんはここに来る必要もないんだよ? 勿論これからもずっと僕が作ってあげるからね、フフッ」 《なんであのきもブス野郎が会長と仲良く話してんだ? 会長様がよそ者のゴミクズを食事にも部屋に誘うなんて……俺らでも話しかけられた事もないのに…… 汚ねぇ手で気安く会長様に触んな! 親衛隊はまだいないのを良い事に初日から好き放題しやがって!けどお前終わったな》 ヤジpart2……マズイどうしよう 会長はシカトしてるのか聞こえてないみたいに俺しか見てない……この笑みで 「えっ?でももう注文しちゃいましたしあの副会長をお誘いされては?」 あっ悪魔モードに入っちゃったよー……… 「僕の料理じゃ不満なのかい? やっぱり玲央と会ったんでしょ? なら部屋でじっくり話聞くからおいで?」 やらかしたーー! どうしよう打開策がないし蒼空も怖がって黙ってるし 「あのー57番さんお待たせしましたどうぞ」 あっ俺のだ 「俺の出来たみたいなんですがどうしたら……」 会長は高等部の人なのか大柄の人に声かけて 「君57番頼んだよね?ね?」 「は・はい?会長様……」 食べ終わった人なのにまさか押し付けた? 「なら食べるよね?よろしくねー」 「お任せください会長様」 そう言って戻ってきた そしてまたニコリと笑顔になり 「はい解決じゃあ行こう?ごはん冷めちゃうから」 会長に手を引かれて連れ出された 「そ・蒼空……後でね?」 蒼空は黙って頷いて自分のを取りに行った。 あんな強気だったのが嘘みたい まるで別人みたいにちっちゃく感じた…… あとあの生徒集団の鋭い目付きが恐ろしかった。 嫉妬や怒りにしか見えない 学校始まったら怖いよ…… 例のエレベーターに乗せられ再びどころか三度会長の部屋に入る羽目になった。 昨夜あんな目にまで遭ったのにまた行くなんて…ってかもし今あの乱暴な副会長にこんなとこ見付かったら…… 《俺は瑠加の彼氏だ》 《俺の瑠加に次近づいたら容赦しねぇぞ?》 どうしよう……… 父さん俺この学園辞めたいよ……… 「さぁ座って翔ちゃん」 座ってテーブル見るとごはんみそ汁サラダウィンナースクランブルエッグとか普通のメニューだけど盛り付けが綺麗で美味しそう 「会長料理上手なんですね?」 「るぅたんでしょ?フフッ食べてみて?」 「いただきます」 食べてみたらどれも美味しい、みそ汁も薄くも濃くなく丁度いいしお米も炊き方上手でこれもまたおいしい 問題は変の物入れてなきゃいいけど…… 「どう?おいしい?」 「凄く美味しいです、いいお嫁さんになりますよ……あっ違いますね」 一瞬固まった会長が次は真っ赤になり 「もう翔ちゃんったらプロポーズかい?僕をお嫁にほしいだなんてまだ恋人からでしょ?」 何この勘違い男……そこまで言ってないし…… ちょっと引いたけど会長はご機嫌になってホッとした。 でも食事は本当に美味しくてまた食べたいと思わせられる…… 「美味しかったですよご馳走様でした。 でも会長には恋人がいるんですよね?……」 はい地雷踏みましたね無表情、本日2度目で一瞬睨まれてからシカトされて食器を片付け始めた 動けず座ってると終わってから会長が来て手を引っ張りソファーに座らされた 「玲央なんかとっくに恋人じゃないから安心していいんだよ?それより玲央に何かされたの?」 副会長に口止めされてるし…… 「えっと部屋に来られて俺は部外者だから出てけと下に降ろされただけです」 「嘘だよね?アイツの横暴さは誰よりも知ってるんだから。 正直に話しなさい!玲央より僕に嘘つく方が怖いよ?」 無表情からちょい怒りぎみになってる 「その……まず殴られました…… その後階段から突き落とされました。 会長は自分の恋人だから近づくな言われました。以上です……」 会長は無表情に戻って迫ってきた 「それが真実?」 「こんな嘘なんかつきませんよ! 怖くてそんな度胸ないですよ……」 「どこか怪我した?」 「階段から突き落とされたときに左腕強打してしばらく痛みが続きましたが今はアザにはなってますが大丈夫です」 先輩が袖をめくってみて驚いてた 「僕の大事な翔馬に……可哀想に痛かったよね?怖かったよね?ごめんねあの時トイレにこもっちゃって」 いやっアンタも十分怖い、とは言えないけど 会長は抱き締めてきた。 いい匂いで嫌にはならない 「本当に大丈夫ですから、あの今日は部屋の整理したいんで戻りますね?」 「僕も生徒会長だから今日は一年生の相手しなきゃいけないんだ……面倒くさいなぁ…今日は翔馬とゆっくり1日中過ごしたかったのに」 いやある意味助かった……ありがとう後輩達よ こうして初日の朝は終わって副会長に見つかることなく俺は無事に部屋に帰った

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