27 / 37

27 青山兄弟の取り合い喧嘩《瑠唯人視点》

チッ!遅せーな!大でもしてんのかアイツ? 屋上で待てど待てども来やしねぇ…… アイツまさか逃げたんじゃねぇだろうな? それとも……まぁ仕方ねぇから迎えに行ってやる ハァそれにしても俺なんであんなブスに付き合うなんて言ったんだ? アレを見られた時は流石に俺でも正直怖かった……でも翔馬は理解してくれてバラされたりもしなかった……気付いたら言ってたし、でも学園に居ないタイプだけど間近でよく見たら肌もまぁまぁ綺麗だしブスとまでは言い過ぎって感じだな。 あと優柔不断な性格には苛つく事が多いがあの優しさで惚れちまったんだぜ翔馬……罪な奴だ 階段降りて翔馬の入ったトイレには居なかった あの野郎やっぱ逃げたのか? どこ行ったんだアイツ! 俺は教室見てようと階段に来た時何か落ちてた これはウインナーだな?……けどこの兄貴独特の切り方してるやつは間違いないな…… チッ!誰だ?生徒会か親衛隊か……それとも 「あっ瑠唯ちゃん一緒に食べないか?」 「うるせ!今それどこじゃねんだよ!」 寄ってくる連中はほっといて、世話が焼ける間抜け野郎だけど彼氏を放置する訳にもいかねぇしな パンを咥えながら昼休み中探したけど見つからないまま教室戻ったが結局授業も戻って来ず翔馬が来たのは5時間が終わってからだった 「ごめん瑠唯人心配かけて」 コイツ制服が少し乱れてるし、身体を擦ってるとこ見ると暴行受けたな……多分兄貴の親衛隊ってとこか? 「テメェ心配じゃなくて激怒してんだよ!2度もすっぽかしやがって!で何してたんだ?」 あえて聞いたが正直には言わねぇだろ…… 「具合悪くなっちゃって保健室に居たんだよ、ごめんね瑠唯人明日は約束するからさ」 近づいて匂い嗅いだら真樹の匂いが強くしてきた……近づくほどアイツの香水だ…… 「ならお前真樹と何してたんだ?」 真樹の名前で動揺し始めやがった…… この野郎……やっぱ俺も殴りたくなってきた 「いや、ちょっとね……」 「お前後でシバくけど今日放課後集まってるからアソコ行くぞ?」 「確か例のグレてるグループさん?危険がなきゃ話は聞きたいけど……」 「俺が居るから心配ねぇよ、確かにアイツは血の気が高い奴だけど大丈夫だ」 まぁ茂は多少イカレてるから絶対安全な奴とも言えないのも事実だしな ま俺が居てやれば大丈夫だと思うが……本当はあんまり会わせたくない 「まぁいいよ、嬉しくないけど異常な人にはもう慣れてきたし……」 「分かった、もう今日は終わりだ。ドタキャンはもう許さねぇからな?」 「わ……分かったよ」 こうして鳴海が来て今日は終わった 放課後になり、俺は翔馬を連れていく前に兄貴を屋上に呼び出した 「何かな瑠唯?僕はお前と違って忙しいんだから要件は手短にね?」 「うるせ!翔馬は昼飯兄貴ご自慢の弁当食えなかったぞ、兄貴なら何でか分かるよな?」 笑顔だが笑ってねぇってくらい分かる、やっぱり兄貴も知ってやがったな 「清掃してくれた子達が教えてくれたからバラバラのお弁当も見たよ。暴行もされたんだろうね可哀想に、でも親衛隊は僕がしっかり制裁するし、翔ちゃんは今夜癒してあげるから大丈夫だよ」 「ふざけんな!全部テメェのせいだろ! 兄貴が構うからそう言う事が起きんだよ! アイツは俺の彼氏になったんだ! だから兄貴の気まぐれに翔馬を巻き込むな! で今後絡むな!それだけ伝えに来ただけだ」 兄貴も顔が苛立って詰め寄ってきた 「彼氏?勘違いはやめな!翔ちゃんは僕の愛おしい彼氏だよ。大体瑠唯には心から愛した彼が居るでしょ?あのヤンキー含めて三股でもする気?最低なのはどっちかな?」 「アイツらとは別れるし……翔馬とは本気だ! それに兄貴だって昔から玲央にゾッコンで絶対結婚するって今でも愛し合ってるだろうが! 兄貴はどうせ飽きたらお決まりのポイ捨てだろ?何が愛おしいだ……新しいオモチャ感覚の間違いだろうが!」 「黙れー!うるさい!うるさーい!翔馬は今までのクソ連中とは違う!玲央ともな!僕は翔馬に一目で惚れたのさ、僕は彼と結婚するって決めたから瑠唯でも邪魔は許さないから」 「フンッ!残念だが俺らは両思いだぜ?それに翔馬が兄貴を煙たがってるの気付かねぇのか?当たり前だよな?玲央や親衛隊バカに酷い目に遭わされりゃ避けたくもなるわ……翔馬を想うなら離れてやれ!」 多分この喧嘩は終わらねぇだろうな…… 自己中でイカレ兄貴じゃ何言っても響かない 「瑠唯も一度痛い目に遭わないと分からない悪い子になったようだね?逆に忠告だよ、翔ちゃんに関わるな!僕も本気だから邪魔するなら弟でも本気で潰すよ?じゃあね」 嫌な笑みで言い放った後屋上から去った チッ!クソ兄貴が…… けど兄貴珍しく感情的で久しぶりにあんな言い合いした。 翔馬の事本気なのか? いやっ違う兄貴は何だかんだ気分屋でアイツが愛してるのは玲央だけで他は遊びだ…… 俺が守るしかねぇな、これも恋人の務めだ 俺は教室に戻ると今日は待ってた 「遅かったね何してたの?」 隠す事じゃねぇけど一応黙っておくか 「ウ◯コだ、今度は見せてやるぞ?」 「いや……いいよ、じゃあ行く?」 「ああ、行こうぜー」 俺は腕を組んで歩いてあの拠点に向かった 「くっつきすぎじゃない?」 「恋人なんだから良いだろ?周りも見ろよ、カップルばかりだぜ?」 「確かに……でも瑠唯人は俺なんかでいいの?その可愛さならめっちゃモテるでしょ?」 「モテるぜ?でもアレを知ってるのはお前だけで俺はお前に惚れたし、お前も気があるから抱いたんだろ?」 恥ずかしそうにしてるが多少自信はついたみたいだな、顔つきが少し変わったぜお前 「否定は出来ないね……」 「後兄貴にこれ以上関わんなよ?俺からも言ったがアイツには響いてねぇからお前がはっきり態度に出せばアイツは諦める、その後は俺が守ってやるから安心して振ってこいよ?」 「少し考えさせ……痛っ!」ドシッ! コイツやっぱ優柔不断だな、これが一番イラつくんだよ! 「先延ばしにすんな!それなら俺がボコしてきてやるぞ?」 「待って待って!分かったよ、ちゃんと伝えるから落ち着いて」 「約束だからな?俺を捨てたら……」 抱きついて泣きそうになった……正直兄貴に取られたくない…… 「瑠唯人……」 「指全部折る……」 コクンと倒れかけた 「ハハッ……大丈夫嫌いにならないから」 「俺これでも束縛激しいからな?覚悟しろよ?」 「まんまな気がするけど」 小声だが聞こえたし 「何か言ったか?」 「何でもないよ、行こ?」 コイツこんなはっきりドキッとするなんて初めてだ……やっぱり翔馬が好きだな…… あんなサイコ野郎には負けねぇ

ともだちにシェアしよう!