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第4話

部屋は暗くなりテレビの音と広瀬のかすかなあえぎ声と時々ぴちゃっという水音しかしなくなる。部屋の壁が薄そうなので、声が聞こえるからいやだといったら、東城が持っている小銭を全部テレビに入れて、音を出したのだ。 だから、くだらない番組の音をいつまでもきくはめになる。 広瀬の性器を東城がなめている。浴衣の前をはだけるのも楽しそうにしていた。 下着をつけていなかったので東城は少しだけ広瀬をからかった。「積極的だな。俺がなんにもしなかったら誘うつもりだった?」 「着替えがないから、着なかっただけです」広瀬はできるだけそっけなくこたえようとした。だが、そのときには東城の唇で先端を挟まれていたので、声がつまった。 東城は、口内で十分にかわいがった後、広瀬の性器を指先でいじりながら、自分の性器も一緒に握りこんだ。 東城の手がゆるく動く。もどかしい。 強い刺激よりもじんわりと身体中がほてってくる。いつまで続くのかわからない。唾液だけでなく、お互いからでたものでぬるぬるしており、クチュっとときどき恥ずかしい音がする。 東城は軽く広瀬にキスをし耳を軽くかんだ。「んっ」広瀬はわずかな刺激に身体をゆらす。東城の手をまつことができず、自分の手をそえて、動かす。腰も自然と動いてしまう。 しばらくして、やっと東城が手の動きを早めた。広瀬がいった後すぐに彼も達した。どくどくという感触が敏感になっている性器につたわり、全身に広がる。東城は広瀬に深いキスをしてきた。こうされると離れがたくなる。広瀬は身体を東城にできるだけぴったりとくっつけて、余韻を味わった。 東城は、まくらもとにおいていた旅館の薄いタオルで広瀬の手をふき、下半身をぬぐった。自分の手を拭いた後で、広瀬の浴衣の前をあわせ、帯をしめてくれた。広瀬は目をとじた。何時だろうか。それほど遅くはないだろうがすぐに眠れそうだった。 「おやすみ」と東城は言って、テレビを切った。

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