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第6話

広瀬が大井戸署で昼ごはんを食べながらパソコンで検索していると、宮田に画面をのぞきこまれた。隠すまもなく字を読まれる。 「幽霊、お祓いってなんだ?仕事と関係あるのか?」と聞かれた。 広瀬は黙って調べている。説明するのも面倒だ。 「なあ、どうしたんだ?」と宮田は重ねて聞いてくる。宮田は一旦くいつくと話を聞くまで決して離さないのだ。「まさか、幽霊見たのか?今の強盗事件関係?」しつこく聞いてくる。 さらに、広瀬の検索結果をみて、この寺は知っているとか、ここは知らないとかいちいちいってくる。かなりうるさい。 「事件じゃなくて」と広瀬はしぶしぶこたえた。「ちょっと、出てくるから」 「出てくるって何が?」 「幽霊」 宮田はふきだした。「なんだそれ、マジか」 完全にバカにしている。 「幽霊ってどんな?スピリチュアルスポットにでも行ったのか?広瀬ってそんな趣味あったのか?意外と行動的だな」 広瀬は、前をむき宮田とは話をしないことにした。 「そういえば、この前、運河沿の廃工場で、高校生が3人肝試しかなんかしてて、出てこられなくなって、携帯で110番したらしい。仕方ないから助けに行ったら、がたいのでかい男子高生が、ワンワン泣いてたんだってさ」と宮田は笑っている。「広瀬も、なんかそのたぐい?」 無視し続けていると、「ま、お前がそんなことするわけないか」と言い、「出るって、どこにだよ」と聞いてきた。 広瀬は答えなかった。しばらく調べてからいくつかの寺と神社を記録すると、検索画面を閉じた。これ以上宮田に話す気はなかった。

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