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第15話
山に向かう日は東城の休みに合わせた。
佳代ちゃんもどうしても来たいといって休みをとった。宮田も休みをとれたが、広瀬は休みはとれず、午後から途中で合流することにした。
朝から休みがとれた3人は東城の車で先に探すことになった。
朝一番に宮田が佳代ちゃんの最寄り駅の近くで待ち合わせをしていると、東城が大型のSUVに乗って現れた。晴れて日差しが強いせいかサングラスをかけラフな服装で、窓越しに手を振ってくる。
佳代ちゃんが宮田に話しかけた。「改めて言うのもなんだけどこうして見ると東城さんってかっこいいわね。とても、お化けに怯えて和子さんに泣きついてたとは思えないわ。最近、東城さんと親しくなったのって友達に自慢したら、何人かが紹介してって私に言ってくるのよ」
「それで、紹介したの?」と宮田は聞いた。
「すごい美人の恋人にベタ惚れだから、飲み会友達以上を期待するのは無理って言ってる」
そういうと佳代ちゃんは東城に手を振り替えし、彼の車に乗り込んだ。
あいさつしながら座ると、彼女は、自分のバッグをあけて、中身を取りだす。
4つのお守りだ。和子から預かってきたのだ。効き目はないかもしれないけど、といって1つずつ渡された。
「こういうものは、霊能力のある人と一緒じゃないと意味ないことが多いらしいわ」と佳代ちゃんは言う。「でも、ないよりはましでしょ」
「他には何かないのか?もっと、効き目ありそうなものは?」行くと決めてからも東城は全く気がすすまなそうだった。「唱えれば効果的な言葉とか?映画やゲームであるだろ。それを言うとお化けが退散するまじないの言葉」
「ないです」と佳代ちゃんは面白そうに言う。「取り憑かれるとしたら東城さんが一番危ないですよね」
「やなこというなよ。ずっとそれ考えまいとしてるんだぜ」と東城は答えた。
昼まで山で探したが、和子の説明を通して幽霊が言っていた小屋は見つからなかった。
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