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第16話
昼過ぎに広瀬が駅まできたと連絡してきたので迎えに行き、駅の近くで4人で昼食を食べた。
広瀬は佳代ちゃんからお守りを受け取り礼を言っていた。
東城がスマホで地図を示しながら、空振りに終わったルートを説明すると、広瀬が自分のタブレットに地図を表示し、丁寧に記録していく。後4つほどルートが残っている。山奥のところもあり、急いだほうがよさそうだった。
こんなことでなければ、4人で天気のいい山をドライブしているだけだな、と宮田は思った。自然にあふれていて景色がいい。車の中では、東城が明るい曲をかけていて、佳代ちゃんは楽しそうにあれこれおしゃべりしたり、持ってきたお菓子をみなにわけたりしている。そして、東城がちょこちょこと話を誘導して、宮田が佳代ちゃんと話をするよう仕向けてくる。
そういえばこの前、宮田は佳代ちゃんをどうこうしたいと思ってはいないのだと東城に言い忘れていた。まあ、言ったからとしても、同じようなことを東城はしてきそうだが。
広瀬はしごく真面目にタブレットを見ながら東城に道の指示をしている。
「そういえば、和子さんが来た後、幽霊でましたか?」と佳代ちゃんが聞いた。「何か追加の情報はありますか?」
「いや、あれ以来みてない」と東城は言う。
「そうなんですか?何ででしょ」と佳代ちゃんが不思議がる。「和子さんに伝えることができたから幽霊も気がすんだんですかね」
「さあな」と東城が答える。「そうだといいんだけどな。終わったって思ってるとやっぱりでてくるから。しゃっくりみたいに」と彼は言った。
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