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第7話 :烈哦性と夕陽。

「えー、本日は哦性(オメガ)の心得の課に新しい老師(せんせい)が来てくれました~~」 この世界の課とは別名課業。授業や講義のことである。 俺を紹介してくれたのは哦性(オメガ)老師(せんせい)でもある(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)だ。……名字(なまえ)からしてかわいすぎる……!そう、この世界の哦性(オメガ)ちゃんたちは男人(おとこ)だが、名字は受けちゃん率多数な影響か、かわいかった。 あぁ、モノホンの哦性(オメガ)ちゃんたちかわいいなぁ。ここは高校……正確には大学附属の高中学校で、目の前に集まるのは花の高校生な哦性(オメガ)ちゃんたちである……! さすがは烈哦性(オメガネス)の暮らす武林を持つ領地の教育機関。哦性(オメガ)ちゃんのための課や(クラス)もある。 そしてここで初の教鞭を取る俺は……。 「我が名は阿那孔打(アーナークォンダー)(ホアン)葎巫焰(リュイウーイェン)。普段は(ホアン) (リュイ)で結構……!発情期(ヒート)の時は遠慮しないで言ってくれ!群がる欸性(アルファ)はこのホアン武林烈哦性(オメガネス)の矜持にかけて、全てなぎはらってくれよう……!!」 俺は堂々と告げた。 ……いや、待って。この口上はありなのか……?外の世界でもありなのか……!?烈哦性(オメガネス)同士なら絶対アリなんだけど……! 「很帥(カッコいい)……!」 「烈哦性(オメガネス)老師(せんせい)だぁ……!」 「校長の伴侶(つがい)って本当なのかなぁ……!羨ましい……!」 哦性(オメガ)ちゃんたちから感嘆の声が上がる。うん、烈哦性(オメガネス)そのもので行っても全然アリだわこれ。むしろ大人気フラグ? まぁ伴侶(つがい)と言っても、俺の本格的な発情期(ヒート)はまだだから、項は噛まれてないんだけどね。 「(ホアン) (リュイ)老師(せんせい)はみんなに護身術を教えてくれます」 (ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)の言葉にみんなから拍手が贈られる。あぁ、ほのぼのとしていいなあ、こう言う雰囲気ってさぁ……! 早速、貝性(ベータ)老師(せんせい)を招いて生贄に……じゃなくて組み手の相手になってもらう。 哦性(オメガ)ちゃんたちは互いにペアを組み、(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)が見守る中、みんなで実践~~。 「そんなに強くはないけど効果覿面でー」 「ぎゃあぁあぁっす!?」 バキイィィッ 「手を掴まれた時とかに便利――――」 「ぐほぉげほぁっ」 ぐベキイィィッ 「あと上級者向けが、これー」 「ゴッホオォォッ」 グゴバキゴンッ 『はーい、(ホアン) (リュイ)老師(せんせい)!』 俺に続いてかわりばんこに実践する哦性(オメガ)ちゃんたち、あぁ、かわいいなぁ。実際の発情期(ヒート)の時はなかなか余裕がないとは思うけれど、せめて欸性(アルファ)の手を振りほどけばその隙に抑制剤を飲んだり、助けを求めたりできるかもしれない。もしもその余裕がない時は……烈哦性(オメガネス)欸性(アルファ)鶏鶏睾丸(チンタマ)を見事に狩ってくれよおぉぉっ!!!それに平時も役に立つかもだし。 「よいせっと」 俺は腰をおろした。いい感じにシメた……いや、伸びた貝性(ベータ)老師(せんせい)の背中の上に。そして脚を組む。あぁ……これぞ烈哦性(オメガネス)欸貝哦世界(オメガバース)に於いて生態系のトップに君臨する狩人の心得……。 え……?貝性(ベータ)老師(せんせい)がかわいそう?大丈夫大丈夫、没問題,没問題。 なんせMで、武術の老師(せんせい)を務めるががゆえに丈夫だそうだからね。 この烈哦性(オメガネス)が受け持つ課の常連らしい。 途中(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)と談笑したり、哦性(オメガ)ちゃんにアドバイスしたり、他の業を教えてあげたり。 「こう言うのもあるかなー」 「ゲホォォォォッ」 グギャゴスッ ――――――あぁ、何て耽美なM微笑を浮かべているのだろう。 そうしてM貝性(ベータ)老師(せんせい)にシメ業をかけていた時だった。 「うぅ……っ、あぁ……っ」 これは、まさかテンプレの……発情期(ヒート)!? 突如(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)が倒れたぁぁっ!? 烈哦性(オメガネス)だったら咆哮を上げるところだけど、哦性(オメガ)はそうはいかない! 「抑制剤を……!」 哦性(オメガ)(クラス)常備の救急箱を用意! 「(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)!これを!」 他の哦性(オメガ)の生徒たちも手伝ってくれる。抑制剤は水なしで飲めるものだ。早速(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)に飲ませて……と、言う時だった。 「花猫(ホァマオ)――――――――っ!」 こちらに向かってくる男人(おとこ)……いや、欸性(アルファ)がぁぁぁぁっ!! 「おんどりゃぁっ!哦性(オメガ)には指1本ふれさせねぇぞぉっ!」 烈哦性(オメガネス)の血が騒ぐ。やはり哦性(オメガ)と言う存在は、烈哦性(オメガネス)の庇護欲をこうも掻き立てる。 (ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)を生徒たちに任せ、素早く地を蹴った俺は、一直線に欸性(アルファ)に向かい……爆裂飛び蹴りをお見舞いシタアァァァッ!! 「うおりゃぁぁぁぁぁぁ――――――――っ!!!」 「げふぉあっ!!?」 欸性(アルファ)は俺の蹴りにより一発で崩れ落ちた。ふん……っ、こんな弱々しいくせに、烈哦性(オメガネス)が守る哦性(オメガ)ちゃんに襲い掛かろうだなんて頭が高えぇぇっ!!! 「ついでに捥ぎったらぁっ!!!鶏鶏睾丸一切都(チンタマ一式全捥)……っ」 「あ、(ホアン) (リュイ)老師(せんせい)!」 その時M貝性(ベータ)老師(せんせい)が俺の名字(なまえ)を呼ぶ。 まぁこの欸性(アルファ)は完全に制圧してるので大丈夫だからと、M貝性(ベータ)老師(せんせい)の方を振り向く。 「どうしました?この不敬な欸性(アルファ)鶏鶏睾丸(チンタマ)はもう捥ぐので問題ないですよ。没問題,没問題」 「あの、そうじゃなくてその――――……その老師(せんせい)(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)伴侶(つがい)ですよ……?」 「……え?」 あー……そういや(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)のこと、下の名前で呼んでたな。この世界では、相当親しい間柄ではないと、下の名前や愛称は呼ばないのだ。通常は姓も含めた名字(フルネーム)で呼ばれるのである。 俺はそっと欸性(アルファ)……(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)伴侶(つがい)をシメアゲから解放する。 「ごほぉっ」 「弱々しい欸性(アルファ)め」 それでも哦性(オメガ)は、一度伴侶(つがい)になれば、その伴侶(つがい)欸性(アルファ)からは離れられない。そしてその伴侶(つがい)を失えば、他の欸性(アルファ)とは番うことも交わることもできないから、ひどく苦しみ生きるしかない。 「だが、(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)にはてめぇみたいなひ弱な欸性(アルファ)でもなくちゃぁならねぇ」 「烈哦性(オメガネス)に比べたらだいったいがひ弱な欸性(アルファ)かと……。あとその老師(せんせい)、普通に文系ですし」 烈哦性(オメガネス)からの業を嬉々として受けるために鍛えているM貝性(ベータ)老師(せんせい)とは違う……か。 「命拾いしたな」 ……フッ。 勘違いでシメてしまっても、烈哦性(オメガネス)は強くあれ。 ――――――烈哦性(オメガネス)の前で不躾に哦性(オメガ)に迫りくる欸性(アルファ)どもが悪いのだ。こう言う時はしっかりと、欸性(アルファ)として伴侶(つがい)であると口上すべし。度胸を見せろ、度胸を。 嗚呼……夕焼けが何かに沁みるぜ。 「(ホアン) (リュイ)老師(せんせい)~~!(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)発情期(ヒート)、落ち着きました~~!」 生徒のひとりが知らせてくれる。 「あ、そーぉ?良かったぁ~~!とりま保健室連れてくべ」 保健室にはもしもの時のために、哦性(オメガ)を専門に診られる医生(せんせい)がいるのだ。もちろん他の第ニ(バース)性生徒も診られるけどね。 俺は軽々と発情期(ヒート)の落ち着いた(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)を片腕で抱き上げる。 「あの、それはいいとして……(ホアン) (リュイ)老師(せんせい)伴侶(つがい)欸性(アルファ)老師(せんせい)も連れて行った方がいいのでは?」 M貝性(ベータ)老師(せんせい)が伸びたままの欸性(アルファ)を示す。 「……あぁ」 確かに、発情期(ヒート)の時は伴侶(つがい)欸性(アルファ)が一緒の方がいいもんね。 俺は欸性(アルファ)の首根っこを、(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)を抱っこしてないほうの手でひょいっと掴んだ。 「じゃ、生徒たちは頼みますー」 「はーい。あとはおまかせをー」 生徒たちをM貝性(ベータ)老師(せんせい)に託すと、俺は早速、(ルアン) 花猫(ホァマオ)老師(せんせい)を抱っこし、ずるずると欸性(アルファ)を引き摺りながら保健室に向かったのだった。

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