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第20話 発情期
――――う~~ん、寝起きからして、熱っぽい。
やっぱり発情期 が近いのだろうか……?武林式世界だと思っていた時は、時折来るバトり期間だと思っていたが。
しかし今思い返せばやっぱり発情期 である。発情期 なのだ。確実に。
地球で読んだ哦性 の発情期 は、周りの哦性 ちゃんたちがそうだったように、哦性 にとっては抗え、ない圧倒的な本能である。
烈哦性 にとっては本能が燃え滾って欸性 の鶏鶏睾丸 を捥ぐか拳を合わせて闘いまくりたくなる時期……。
そんな時期は地球では聞いたことはないが、さすがは異世界。そもそも烈哦性 がいるというイレギュラーである。
しかしあのどうしようもない身体の火照りは哦性 ちゃんたちが陥った発情期 と通じ合うところもあるのだ。
「リュイ、顔が赤いぞ。まさか風邪か?」
隣で俺を抱き締めながら寝ていた玖 が心配そうに俺の顔を見下ろしてくる。
「烈哦性 、風邪引かないもん」
「ではまさか……」
玖 がハッとする。
「発情期 が近いんだと……思う。今日、明日で来るかも」
そんな高ぶり具合である。
「やはりか……大学と高中 は休むか?ここで寝ていてもいい」
「大学と高中 は休むよ」
俺はまだ番ってないから、烈哦性 の覇気……じゃなかった。哦激素(フェロモン)に万が一影響を受ける欸性 がいてはいけない。大体が恐ろしくて逃げてしまうと思うのだけど。欸性 にとって烈哦性 の哦激素は自分の鶏鶏睾丸 をりとる天敵のごとし。
――――あとこんな時期にダメ欸性 を見てしまうと、鶏鶏睾丸一切都摘下了 を連続披露してしまいそう。高中 生プライスにできなさそう。
「でも、寝ていたらさらに火照って暴れだしたくなるから……手合わせをお願いしたいな」
「そう言うことならば。公館の烈哦性 たちも互いの発情期 前はよく手合わせをしている。みなに話しておこう。この間の小武林場を使うといい」
「うん……それはありがたいかも……」
本格的な発情期 に陥るまでは……やっぱり身体の疼くままに戦いた~~いんだもん……!
※※※
――――小武林場
公館に逗留している烈哦性 たちは、伴侶 を見付けている場合がほとんどだ。しかしやはり発情期 前は身体を動かしたいし、発情期 が始まっても伴侶 の到着が間に合わない時は、拳を交え合うことも大切だ。
「リュイさまももうすぐ発情期 とは。玖狼 さまと番うのが楽しみです」
「えへへ、俺も」
俺のために交代で来てくれると言う烈哦性 たちと談笑する。
「それじゃぁ、楽しみにしながらやろうか!」
「もちろんだ!」
俺の言葉に先輩烈哦性 が頷き、互いの名乗りと拱手 と共に地を蹴り拳を交え合う。
疾風が舞い、地に轟音を響かせる。
手合わせしてくれる烈哦性 たちも交代しつつ、午飯 休憩を取ったあとは鶯媽 が来てくれたので、そのまま鶯媽 と手合わせをした。
そうして夕方が近付いた時だった。
「うぐ……っ」
この、身体の中から沸々と沸き上がる独特の熱気!これは……まさか……っ!
「発情期 ……!発情期 が来たのね!リュイちゃん!」
鶯媽 ぎ駆け寄ってきてくれる。
「うん……鶯媽 !」
発情期 が……始まったぁ――――――っ!
「玖狼 さま以外の欸性 は大至急待避を!」
「烈哦性 の発情期 だぁ――――っ!」
「早く玖狼 さまを呼べ――――っ!」
公館の烈哦性 たちや貝性 たちが大声で叫びながら走り回る!
こうなっては玖 以外の欸性 を見た時に……危険だからな!
「安心して、リュイちゃん!うちの玖 が来るまで私と拳を交えましょう!」
「鶯媽 !」
「この前のお礼よ」
「……はいっ!」
こうして俺は、玖 が来るまでおよそ5分ほど鶯媽 と拳をぶつけ合った。
「玖 ……はぁ……あぁ……早くない……?」
この男人 に関しては、今さらだが。
「今日は急ぎの予定は早めにこなして、いつでも駆け付けられるようにしていた」
さすがは……超級欸性 ……!
しかしそうでなくては番うだなんて、許すものか。
「玖 ……最高に身体が熱くて……ムラムラする」
この身体のムラムラの行き先が、欲しい。
「あぁ、私たちの床 に行こう」
「ん」
こくんと頷けば、俺は玖 の腰をがっちりと掴む。
「まぁ。リュイちゃんもさすがは烈哦性 ね。烈哦性 たるもの、発情期 の時は欸性 を担いで巣に引きずり込む……ねっ!」
まさにそれだ、鶯媽 !:我媽(マー)もよく言っていた。これが発情期 時の烈哦性 の作法!番う欸性 は自ら巣と言う名の臥房 に引きずり込め!
俺は玖 を脇に抱えたまま臥房 のある区画まで屋根づたいに移動し、臥房 に飛び込んだ!
「玖 、いきなりのことでびっくりしたかもしれないけど」
「問題ない。:媽(母)もよくやっている」
さすがは烈哦性 の息子!よく分かっている!
「それじゃ、玖 」
玖 を軽々と床 に上げれば俺も早速とばかりに服を脱ぎ捨て、玖 の上に股がる。
「はぁ……ん……っ、俺に、挿れな」
「あぁ、もちろんだ」
玖 が俺の身体を引き寄せ、ちゅぷりと口付けを授けてくれる。
「ん……っ」
玖 との濃厚な口付けを交わし、さらには俺を下にするようにくるりと回転すると、服を脱ぎ捨て、そして俺のナカを解してくる。
「そこ……っ、いい……っ」
発情期 の時にされると、さらに感度が上がるようである。
「もっと……もっと気持ちいいとこ、さわって……?」
「そんなに煽ると止められなくなるぞ……?」
「止める必要ある?」
「……確かに、ないかもな」
そして、くちゅくちゅと俺の蕾を解した玖 の雄根が俺のナカに挿入って来た……っ!
「あ……あぁ……っ」
「ん……っ、リュイ……っ」
そして俺の最奥を貫き、腰を振り乱しつつも、俺の蜜壺の中に玖 のとびっきりの蜜が注がれる。
「あぁ――――……」
発情期 の時はどうしてか……いつもよりも甘く蕩けるように蜜壺を満たしてくる。
「次は、後ろから……ついて……伴侶 になるんだから」
するりと、項帯 を外せば、玖 が白い首の肌を優しくなぞる。
「いいんだな……?」
「当たり前だろ?玖 に噛ませてやる。俺の伴侶 になんな」
「……っ!もちろんだ、私の……いや、リュイの私だな」
「よく分かってて、えらい」
疼く項を枕の上で擦りながらも、玖 の頭を撫でてやれば、玖 が俺の唇に優しい口付けを落とし、雄根をずずず……っとナカか、抜き去る。そして俺の身体をひっくり返し、後ろからまたその巨根をねじいれる。
「あぁ……っ、締め付けてくる……っ、リュイ……っ!」
「ん……っ、うん……っ」
欸性 には哦性 の蜜壺への種付けを逃さないためのノッキングと言う現象があるが、烈哦性 には狙った欸性 の精を逃さないための蜜壺が備わっている。後背位で挿入した欸性 の精と、牙を逃さないための、発情期 の時の隠し種。抜き挿しするために多少は動きつつも、抜くまではカリから上が抜けないようになっている。
とちゅとちゅと玖 の雄根が俺の最奥を穿ち、欸性 の蜜がだくだくと注がれていく。
「あぁ――――っ」
やばい……やっぱ気持ちいぃぃっ!
「リュイ……リュイ……!」
玖 が興奮したように俺の名を呼びながら俺の背中に肌を擦り合わせ、そして項に熱く滾った吐息を吹き付ける。
「あぁ……っ」
項が熱く、そして震えるような。
「私をリュイの伴侶 にしてくれ」
「あぁ……もちろんだ」
そう告げれば、欸性 の牙が俺の項に降りてくる。同時にガツン……っと、この欸性 が自分の欸性 なのだと刻みつけてくる。
「ん……っ、あぁ――――――――っ」
烈哦性 は欸性 と番う時、この上ない幸福感に包まれると聞くが……それは本当のことのようだった。
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