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第28話 昼下がり

さて、本日のお昼は生姜焼き定食です。 「うん、やはりいつ食べてもティルの料理はおいしいな」 「そう言ってくれると嬉しい」 わぁ、まさにイチャイチャ新婚生活の見本って感じ。ここが帝国城で目の前の夫は皇帝陛下という点を除けば。 「そう言えば式典の件は?順調?」 「あぁ、揃いの衣装を楽しみにしていてくれ」 「うん。アイルたんとお揃い楽しみだなぁ。あ、そうだ。式典の料理のことだけどさ。アイルたんは平気?」 「いや、ティルの料理以外は食べたくない」 「それじゃ、式典が終わったら夜食を作るよ」 「うん、嬉しい」 アイルたんは俺が作った料理以外は食べられないからなぁ。 「そう言えば、最近の宮廷料理長の様子はどうなんだ?」 てっきり、俺がアイルたんの食事を全面担当しているので、文句のひとつでも言われると思っていたのだが。 「最近は、後宮で流行っている賄いに興味を持っているらしい。俺が食べないからな」 そうだよね!!アイルたんの他の皇族と言えば皇弟・コンラートしかいないはず。まぁ、直系はコンラートだけだが、親戚縁戚含めれば皇族は他にもいるのだが、帝国城で生活しているわけではないし。 そしてまさかの後宮の定食料理に興味を持っているとは意外である。 「式典では久々に腕を存分にふるうことができると喜んでいるそうだ」 「そ、そっかぁ」 それは良かった。料理長の救いになって。 式典当日は祖国のメンツも来るから、久々に会えるのは楽しみだな。そう言えば原作にはこういう感じのイベントってあったっけ?原作では弟ルイスが立太子して婚姻披露パーティーの場でイベントがあったけど、それはまだ準備中で先のはず。 「ティル」 「ん?なぁに?アイルたんっ!」 「俺が目の前にいるのに、何を考えている?」 「ふぇっ!?」 「俺の目の前で俺以外のことを考えるのは」 「え、わかるのっ!?」 「俺の名前を連呼していないから」 しゅーんっ。 そう言えば、そうだったぁっ! そしてそんな悲し気な顔をしないでアイルたんっ!! 「ご、ごめんってば」 「今、呼んでくれたな」 ふふっと微笑むアイルたんの微笑みが眩しすぎるううぅぅ―――っ!! 「う、うん、アイルたんっ」 「あの……お食事中申し訳ありませんが」 「っ!?」 急に振ってきた低い声に顔をあげれば。 「急遽確認していただきたい書類がございます」 「宰相(ヒューイ)、せっかくのティルとのランチなのに」 「食べながらでも聞けるでしょう」 宰相ドSすぎぃっ!! 「では、ティル。こちらへ来て」 「ん?いいけど」 椅子から立ち上がり、とてとてとアイルたんの方へ歩いていけば。 すかさずアイルたんの腕に捕獲され、俺はアイルたんにお膝抱っこされる形になった。 「良い、話せ」 アイルたんが俺の肩に顎を乗っけながら宰相を見上げる。 「はぁ。では今朝申し上げた件ですが」 ―――いや、何故そうなる!?そして普通に話し始めるのかよ宰相っ!! そして宰相との確認業務が終われば。 「さ、続きをいただこうか」 「う、うん、そうだねアイルたん」 「今後もこういったことは増えていくと思う」 「そ、そうだよね。むしろアイルたんの執務室まで料理を運ぼうか?」 皇后の立場なら、後宮への出入りに関しての許可は通常必要ないのだ。 無論、節度と言うものもあるけれど。 「その場合、よりたくさんの者にかわいいティルの姿を見せてしまうことになる」 「そりゃぁ、帝国の中枢だからね。でも、マナー的なものは大丈夫だと思うけど」 これでも王族に産まれた身。そこら辺は身に沁みついているのだ。 「いや、何かティルを取られた気分になるからいや」 理由は嫉妬の方かいっ!! 「式典でたくさんの者たちの目に入れなくてはならないことすら憂鬱なのに、これ以上は」 た、耐えられない的な?ここは妻としてアイルたんを慰めるシーンでは!!俺は腰を浮かせようとした、その時だった。 「もう、今から種付けしたい」 ガッターンッッ!! あ、椅子倒しちゃった。 「ティル?」 「あ、その」 「そうだ、式典の際だが。やりたくなったらすぐできるように、控室にベッドを用意しておこうか」 「いや、さすがにそこまでは」 「もう、その場でやっていいか?」 あ、アイルたんの目が、目の奥の深淵がやばいっ!! 「いや、ダメだからぁっ!!その、食べ終わったら少しだけ触ってっていいから。ね?いい子にしてようね?」 「ん、ティルがそこまで言うのなら、仕方がない」 もぐもぐと再び定食を食べ始めるアイルたん。 ―――そして。 ソファーで少しだけお触りを。 いや、あ、ああああアイルたああぁぁぁんっっ!!? 「ん、ティル……美味しぃ」 「んむぅ~~~っ」 後ろから抱きしめられながら唇をむしゃぶられ、服の中に手を入れられてまさぐられながら、もう一方の手をズボンの中に手を入れられて、見事に股間を全力でもまれた俺であった。

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