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第38話 久々のカレイド王国
「あ、アイルたんっ!そんなっ、もう少しで着くって」
聞いたけどっ!?
「なら、もう少しできるな」
「ひぁっ、あっ」
祖国で行われる王太子夫妻の婚姻発表パーティーに出席するためにグラディウス帝国からカレイド王国までの旅路を超高級ふかふか座席の馬車で順調に進んでいたアイルたんと俺一行だが。
―――馬車の中では相変わらずアイルたんと一緒にイチャイチャである。もちろん夜は高級宿に泊まり、夜な夜なアイルたんに聖魔力を搾り取られた俺だが、馬車の中の密室でもアイルたんの性欲はとどまることを知らない。
※もちろん書類の最終確認なども行っている。
「んにゃっ、あぅっ」
俺は現在アイルたんに腰を抱き寄せられ、そしてもう片方の手で股間をお触りされていた。
「あぁ、吸いたい」
何を!?いや、確実に今揉んでるところから溢れ出す俺の聖魔力をふんだんに含んだ白濁液のことだろう。
「さすがに、今はっ」
「そうだ、いいことを思いついたぞ」
「ふぇっ!?あひゃっ」
アイルたんが俺の耳に唇を近づけ艶めかしく囁いてくる。アイルたんがエロいよ~。めっちゃ妖艶だよ~。うわぁ~、めっちゃ好きだけどー。
そっと俺の身体から腕を放したアイルたん。どうする気だろう。
むにっ
ん?
「んんっ、これもなかなかいいな」
「えっ、ふえぇっ!?」
アイルたんは俺の太ももに顔をうずめていた。
「んっ。この前、ティルが俺にやってくれただろう?」
そう言えば、酔いながらアイルたんの太ももに顔をうずめて頭なでなでしてもらったかも。アイルたんったらっ!
こう言うのもなかなかいいかも。アイルたんがしてくれたように、頭をなでなですれば。
「んんっ、やはりティルに触れていると安心する」
「えへへ、俺もそうだったよ」
お膝枕ってそう言う安心感があるよね。俺もまたアイルたんのお膝枕堪能したいなぁ。そう、ほのぼのと思っていた俺だが。
むにゅっ、むにゅにゅっ
んん?
あ、アイルたあああぁぁぁ―――んっっ!?
ちょっ、顔の向き!顔の向きおかしい!そして何故っ!
何故俺の股間にお顔うずめてるのおおおぉぉぉ―――――っっ!!?
「ふぁっ、アイルたん!?何でそこにお顔うずめてるの!?ひぁっ」
俺の股間に顔をうずめながら、アイルたんがまるでしゃぶるようにズボンの布地の上から唇を押し付けてくる。
「早く直にしゃぶりたいな」
「ひぇ―――っ!?」
そしてアイルたんに到着まで悶々と股間にお顔をうずめられるという新手のお膝枕を堪能された俺であった。
―――カレイド王国王城前
わぁ―――。帰ってきた―――っ!久々の里帰り!
アイルたんにエスコートされながら馬車を降りると、早速懐かしい面々からの歓迎を受けた。
父上、義母上、弟のルイスとラピス夫妻、ショタっ子弟のゼン。あと寝不足でめっちゃ目のクマがヤバいウチの宰相や、騎士たちなど。
「我がカレイド王国にようこそ、皇帝陛下」
「あぁ、歓迎感謝する。カレイド王国国王陛下」
まずはウチの父上と皇帝アイルたんが挨拶を交わす。
「そして、ティル。よく帰ってきたな。楽しみにしていたぞ」
「はい、ただいま帰りました。父上」
俺も久々の父上に挨拶をし、その他の面々ともアイルたんと一緒に挨拶を交わした。そして俺たちが滞在する離宮に案内された。まぁ、滞在用の小さめの高級宿をそのまままるごとレンタルって感じだ。同行してくれた面々も一緒に滞在中はこちらの離宮にて生活する。俺の手料理しか食べないアイルたんのために、厨房も用意されている。
―――事前に連絡しといてよかった。
「これからルイスたち兄弟とのティータイムだから、早速準備しようか」
「あぁ、だが」
むぎゅー。
アイルたんが俺を後ろから抱きしめてくる。その様子に、同行してきた面々も和やかに見守りながら物資を搬入していく。
「あ、あの。みんなが見てるから」
そう、俺がアイルたんに訴えるものの。
「いや、いつも通りですよね」
「俺たち気にしないのでー、好きなだけ楽しんでくださいねー」
ユーリを始めとして、近衛騎士たちもそう言いながら爽やかに告げてくる。
んなぬっ!?そう言えば、そうだったかも。彼らも見慣れたものなのである。旅の途中も絶えずイチャイチャ。昼食や夕食の場でもイチャイチャマックスであった。
「―――そう言うことだ、ティル」
「ひぇー」
「あと」
「ん?」
アイルたんったら、何か懸念があるのかな?
「ティルは必ず帝国に連れ帰るからな」
「え?うん。そりゃぁもちろん?」
何だろう、里帰りしたついでにそのまま居座るなんてしないよー。
「国王にはやらんぞ」
「え?父上には義母上がいるじゃん」
どこに嫉妬してんの、アイルたんったら。
「ティルは俺のものだ」
「うん、もちろん俺はアイルたんの嫁だよ?」
「ん」
俺の答えを聞くと、安心したように思いっきり抱きしめられ、首筋に顔をうずめられてすりすりされてしまった。俺の里帰りに急に不安になってしまったのだろうか。も~。アイルたんったらかわいいなぁ。
―――
さて、俺たちは久々の里帰りを含めて、他の出席者たちよりも早めに入国している。そのため、その間は家族との時間を楽しむつもりだ。
今回のティータイムもそのひとつ。
ルイス、ゼン、ラピスと一緒にティータイムをもよおすことにしたのだ。俺の兄弟だから、アイルたんの義理の兄弟にもなることだし。アイルたんは皇帝陛下ではあるけれど、俺の兄弟とも親しんでほしい。
アイルたんは相変わらず俺のお手製しか口にしない。アイルたんと俺のお茶は俺が、ルイス、ゼン、ラピスのお茶はラピスが淹れ、茶菓子は俺の特製ジャムクッキーと帝国銘菓でこちらも俺特製カステラを用意した。因みに、マジックバッグと言う便利グッズに入れておいたので、出来立ての味を楽しめる。
「ジャムクッキーは王国銘菓だから、たくさん食べてね」
そう、アイルたんに差し出せば。
「うむ、うまそうだな。宝石を模しているのだろう?」
「そうそう」
宝石の原産地、加工で有名なカレイド王国。その銘菓として親しまれているのがクッキーにジャムを乗せたお菓子である。パイ生地の上にジャムを乗せたものもあるが、今回は家庭でよくつくられるクッキーをチョイスした。家庭でもお土産品としても親しまれる上に乗せたジャムが宝石を彷彿とさせる銘菓である。
今回はアイルたんの瞳の色に近いルビーストロベリーと俺の瞳の色に近いアメジストベリーをチョイスしている。
「兄上がお菓子作りが得意だなんて初めて知りました」
「私もです」
そう、ルイスとラピス。
「いやぁ、その。俺の隠された特技だよ」
「そう言えば、兄上はカレーも作れるのですよね」
と、ゼン。
「あぁ、現地で仕込まれたからな。今夜はご馳走するから楽しみにしていてくれ」
「はい!」
ゼンったら本当に嬉しそうだなぁ。やはり子どもにもカレーはウケるのである。やはりカレー、素晴らしい!
「ティル」
「ん?アイルたん?」
「ほら、あーんしてくれ」
ぐはっ
弟妹たちの前でちょっと照れるが、アメジストベリーのクッキーをあ~んしてみれば。
「んっ、おいしい」
そう言ってぺろりと舌なめずりをして、俺の指をぢゅぷりと嘗めるアイルたん。ま、マジ妖艶~~~っ!めちゃ萌え尊しマジやばたんっ!!
「まぁっ、お義兄さまったら」
ラピスが頬を赤らめている。
「さ、さすがです」
ルイスまで。
「ルイス兄上とラピス義姉上はやらないのですか?」
ゼンのひと言で、二人がぎゃふっと撃沈する。
そして照れながらもラピスがルイスにあ~んしており、兄夫夫 として弟夫婦のお手本となれて何よりであった。いや、いいのかこれで。でもアイルたん尊いからいいか。俺はカステラもアイルたんにあ~んしてあげた。
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