舌をねじ込み、強引に舌を絡めとる。柔らかく、熱い。ぬるぬると唾液を絡めながら何度も唇に吸い付く。下唇に噛みつき、また唇を吸う。これが、やりたかった。 「んぅ、んっ……」 　柔らかい髪に手を差し込み、頭皮をなぞる。ちゅく、ちゅぷと、濡れた音が響く。 「ぁ、んむ……、ぅ」 　上口蓋を舐め、舌を擽る。吉永の膝が、ガクッと崩れて俺の方にもたれかかって来た。 「ん、んっ……」 　唇に吸い付いついたまま、ベッドに倒れ込む。自然と、吉永が覆いかぶさるかたちだ。俺は尻の方に手を伸ばし、両手で揉みしだいた。吉永が薄く瞳を開ける。潤んだ瞳と目が合う。 「あ、ん……」 　ぷは、と唇を離し、吉永は何か言いたそうな顔をした。が、再び唇に吸い付くと、何も言わなかった。向こうも舌を伸ばして、互いにイタズラし合うように舌先を擽り合う。 「ぁ、ん……、こうへ……、んっ」 　ズボンの隙間から手を差し入れ、そのまま下着の中へと入り込む。今度は、直に柔らかい双丘を揉んでやる。やや乱暴に左右交互に揉み、全体をマッサージするようにほぐしていく。吉永は身体をぴくんと反応させながら、されるがままだ。服を着せたままでは邪魔なので、ずらしてやる。ぷるん、と肉が揺れた。 　ぐっと手に力を入れて、左右に尻を割り開く。こちらからでは見えないのが残念だ。だが、吉永が恥ずかしそうにするのは良く見える。これもまた良い。割れ目を開き、露になった穴を、指先で擽る。 「あっ！」 　ひときわ大きい反応に、思わずクスリと笑う。敏感なヒダ部分を何度も擽り、穴に指先を添え、ぐっと力を入れる。びく、と身体が揺れる。だが、挿入はしない。そのまま、焦らすように指を離す。吉永が恨めしそうな顔をした。 （こっちだって挿入れてえけど……） 　今すぐ肉を埋めたいくらいだが、それじゃ今までと同じだ。焦らしてやる。そう思いながら、今度はトレーナーの裾から手を差し込み、背中に触れる。 「ん……」 　腰のあたりを撫で、背中に指を這わせる。反応を見せる箇所を何度も往復し、擽るように愛撫していく。 「あ、ぁ……、ん……」 「これ、邪魔」 　言いながら、トレーナーを脱がせる。すっかり丸裸になった吉永をベッドのほうに寝かせた。この方が、色々出来る。 「っ……、航平……、焦らすなって……」 「何言ってんだ。マッサージ、だろ？」 「んっ……、そう、だけど……」 　もぞ、と腰を捻る吉永に、ゴクリと喉を鳴らす。今すぐ突っ込んで、鳴かせてやりたいところだが、お楽しみはもっと先だ。胸に掌を載せ、ゆっくりと揉みしだくように全体を触れる。 「ちょっと」 「良いじゃん」 　抗議の声を無視して、愛撫を続ける。直接的な快感がないからか、不満らしい。 「あんま、それ、良くない」 「そう？　これは？」 　乳首の先っぽをカリっと爪で引っ掻く。ピクと小さく身体が揺れた。 「ん」 「……先端のが感じやすい？　これは？」 　こっちはどうだと、顔を近づけ乳首に吸い付く。ちゅう、と強く吸い、舌で擽る。吉永はくすぐったそうに腰を捩って、俺の髪を掴んだ。 「っ、ん！　ばかっ……」 「弄ってたら、女みたいな乳首になるかな」 「ぁ、ん……なったら、どうすんだよ……」 「他人に見せられなくなるかもな」 　いいながら、ぢゅっと強く吸う。何度も胸元にキスを繰り返し、皮膚に噛みつく。白い肌に赤い痕が無数にこびりついていく。 「あっ、ん……！」 　吉永が小さく首を振る。鈍い快感に瞳が潤んでいる。徐々に下へと下がって良き、その度に肌に吸い付く。腹に、腰に。鼠径部に。吉永の性器が、ひくひくと震えている。それを、可愛いと思ってしまった。 「……」 　性器を無視して、脚の付け根に噛みつく。 「んんっ！」 　じゅっと唇を這わせ、何度も口づける。柔らかい太腿に、赤い痕が付く。舌を皮膚に這わせ、脚に食いつく。細く、しなやかな脚だ。足の綺麗さだけなら、歴代の彼女よりも綺麗だ。なめらかで、すごく、良い。 「航平……っ」 　足首に丹念にキスしているところを、ぺしっとつま先で蹴られる。 「何だよ」 「もう、それ、ヤダ」 「良いところなのに」 　息も絶え絶えで訴える吉永の様子に、笑いがこぼれる。楽しい。 　くるぶしを舐め、足首を掴む。両足を掴んで足を開かせる。一瞬、吉永がぐっと息を呑むのが解った。羞恥を押し殺すように、唇を噛む。その表情が良い。恥ずかしいのに耐えているのはどうしてだろうか。嫌がったら、俺が止めると思っているんだろうか。ここまでして、止める気なんかなかったけれど。 「ローションとかある？」 「……ああ」 　そうだったと、思い出したように呟いて、吉永は枕の下からローションを取り出す。 「そこかよ」 「ヤりたくなったらすぐ取れるじゃん」 　バイブもここだと、アナルバイブを取り出す。受け取ったローションは中身が大分少なくなっていた。 「悪い遊びばっかしてんだ」 「そうだよ」 　ローションを手に取り、馴染ませる。いざ。というところで、吉永が俺の手を掴んだ。 「なに」 「……それ、胸にやるとかやめてよ。もう我慢できないんだからさ」 「……まあ、しゃーない」 　本当はちゃんとやるつもりだったが、違うそぶりをする。面白そうだし、次回機会があったらそうしよう。なんとなく、次もある気がした。三回目もあったのだし。きっと四回目もあるのだろう。 　アナルに指を這わせる。吉永がピクっと足を揺らす。ぐっと指先に力を込め、先端を押し込む。ぬぬっと、僅かな抵抗を感じながらも、指は穴へと沈んでいった。直に指で触るのは初めてだが、熱く、きゅっと指を締め付けて来る感触がする。呼吸に合わせてきゅうっ、きゅうっと締め付けられているようだ。膣とは明らかに違う、もっと、生き物のようにうねっている。 　指を前後に動かし、内壁を擦る。ローションの滑りを借りて、じゅぷじゅぷと音を立てて解していく。 「ぅ、ん……、あっ……航平、はや、く……」 「待ってろって」 　吉永の声に煽られる。正直既に自身はガチガチだし、遠慮なく突いてやりたいところだが。幸いなのは、俺よりも吉永の方が余裕がなさそうなことだ。指を増やし、ぐちぐちと内部を弄る。無防備に急所を晒して、無防備に足を開いて。俺意外誰もみたことのないような姿で、吉永が鳴く。 「ん、ん……航平っ……、航平ので、満たしてよ……」 「――っ……」 　強請る声に、ゾクリと背筋が粟立つ。誘うような瞳で、吉永が見る。 （くそ……） 　ずるり、指を引き抜く。吉永が「ひゃんっ」と甘く声を上げた。 　ズボンをずらし、自身を取り出す。既に固く反り立った性器を、穴に押し付ける。 「――ん」 　吉永が小さく声を漏らす。その声が嬉しそうだったのを、聞き逃さない。 「吉永……」 　名を呼ぶのを合図にして、強引にねじ込むように内部に入り込む。ああ、吸い付かれてるみたいだ。 （やば……） 　何度貫いても、飽きることなどなさそうだ。吉永が良すぎて、女が抱けなくなりそうで少しだけ怖い。けれど目の前の快楽に抗えるはずなどなく、望みどおりに俺で満たしてやる。 　ずぷんと奥まで貫き、ぐっと押し付ける。吉永が小さく呻いた。 「あ、あっ……」 　切れ切れに漏れる声を、唇で塞ぐ。吉永は苦しそうにしながら、舌を伸ばしてきた。噛みつくように口づけしながら、小刻みに身体を揺らす。 「吉永……っ」 「ん、むぅ、んっ……航、平……っ」 　唇を貪りながら、何度も貫く。その度に、吉永はビクビクと痙攣するように身体を震わせた。 「あ、あっ……！　んぁっ！」 「っく……」 　吉永の肩を抱き、首筋に顔を埋める。吉永が、俺の背に腕を回した。 　二人してしっかりと抱き合いながら、二人同時に精を吐き出した。