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九十一 俺だけの

「暴れんなって」 「もう、うるさいっ、馬鹿っ」 「律」  暴れる腕を引き、抱きしめる。唇を重ねれば、腕の中でもがいていたのが徐々に弱くなっていく。我が恋人ながら、こんなにチョロくて大丈夫だろうか。少し心配だ。 「ん、ぁ……っ」  くぱ、と口を開けて、舌を伸ばす。唾液が二人の間を繋いで、糸のように垂れて行った。 「こっちも、弄って欲しいだろ?」  そう言って、スーツの上から尻を揉む。柔らかな双丘の間に揺れるしっぽが可愛らしい。もっと触って欲しいって、誘っているみたいだ。股の部分の布地を引っ張り、ずらしてやる。ビクンと律の身体が震えた。 「ん? あれ? 穿いてない?」 「っ、だ、って……」 「え、っと……」  それは。大分。 「エロいな?」 「しっ、下着が、見えるからっ」 「……まさか、宴会でも穿いてなかった?」  まさかのノーパンだったとは思わず、顔を顰める。そんな恰好してたなんて、いやらしいウサギさんだ。 「違うっ。あの時は……」 「あの時は?」  ちなみに俺は、あの時は普通にパンツがはみ出ていたぞ。だから余計にみんな笑ってたのだ。まあ、グレーのボクサーパンツがはみ出ていたところで、って感じだけど。 「ティ、ティーバック……を」 「なんだと」  恥ずかしそうにしながら告白する律に、思わず喰いついてしまう。ティーバックなんて見せてくれたことねえじゃん。 「今度穿いてよ。律ちゃん」 「何でだよっ」 「何でも、見たいだろ。恋人のそういうのは」 「っ……おれだぞ?」 「律だからだろ。他のヤツのなんか見てどうする」  あとエロいやつも頼む。エロくて可愛いヤツ。そう言うのも見たいです。まあ、一気に言うとやってくれなさそうだから、少しずつ頼もう。 「っ、あ……」  こしょこしょと会陰を擽ってやると、律が甘い吐息を漏らす。アナルと睾丸の間を優しくほぐすようにマッサージしながら、網タイツの穴に爪を立てる。ここからはタイツを破かないと、ことに及べない。プツッと糸を掻き切ると、そこから連鎖的にプツプツッっと糸が解けて穴が開く。股間部分に穴をあけられ、律が真っ赤な顔で目を背けた。 「っ……!」 「すげえ、エロいな……」  しみじみと呟きながら、荒い呼気を吐き出す。すごい、良い眺め。律とこんなこと、出来ると思わなかった。脚フェチとしてはタイツを破くってのは最高のプレイではあるが、なにせ相手は男なわけで。やりたいっていったらドン引きされるのがオチだと思っていたと言うのに。いや、ドン引きはしてるか。 「っ、も……、死ぬ……。恥ずか死ぬっ……!」 「大丈夫だ。古今東西、恥で死んだヤツはいない」  アナルのヒダを撫でながら、恥ずかしさのあまりしがみ付く律を宥めるように背中をポンポンと叩く。 「それに、俺しか見てないんだし」 「っ……」  俺は誰にも教えたくないわけだし。秘密は守られる。  律はハァと息を吐き出し、赤く潤んだ瞳で俺の顔を覗き込んだ。 「お前にしか、許さないからな……こんなこと」 「――」  ゴクリ、喉を鳴らす。心臓がきゅっと締め付けられ、体温が一気に上昇した。 「おま、えな……。ただでさえ、興奮してんのに……」 「え?」 「煽るなっ」  はむ、と唇を食み、細い腰を掴む。引き寄せた下腹部に、自身の性器を押し当てた。ごりっ、と押し付けられた感触に、律がビクンと震える。 「な、なんでこんなっ」 「解るだろっ」  ローションを手に取り、ノズルの先端をアナルに押し付け中に直接注入する。律がビクビクッと身体を震わせる。 「ひぅっ」  本当はじっくり解してやろうと思ったが、こっちが余裕がない。濡れた穴に指を突っ込み、やや乱暴にかき混ぜる。腸壁をなぞるようにぐちょぐちょと擦りつけ、何度も抜き差しする。バニースーツにローションが染みていく。 「あ、あっ、んっ……!」  律がビクビクと身体を揺らすたびに、頭の上で耳が揺れ動く。無防備にさらされた乳首を引っ掻くと、俺の指をくわえたアナルがきゅうきゅうと締め付けた。 「律のココ……、すげえ、俺の指吸い付いてくんね」 「あ、はっ……、ぁん……」  膝がビクビクと震える様が、酷く扇情的だ。俺を誘うように、ヒクヒクと穴が蠢く。指を増やして内壁を弄り、拡げるようにして指を開いていく。くぱくぱと口を開けるアナルに、ゴクリと喉を鳴らす。 「もう、挿入れて良い? 良いよな?」 「っ――、ん……。はっ……、しかた、ねえな……。優しく、しろ……よ……? んっ」  息を切らしながら、律が頷く。俺はコンドームの袋を口で切ると、素早く着けた。さらにローションを塗り付け、先端を入り口に押し付ける。 「律……、好きだ、律……」 「は……、ん…、うん……。おれ、も。好き……すき……」  とろんと蕩けた顔をしながら好きだという律に、胸がぎゅっと掴まれる。俺はそのまま律の足を抱えると、抱きしめるようにして中へと性器を押し込んだ。体重をかけて、肉を割る。ずぷぷと、熱い質量を律の中へと挿入していく。 「っ――く、っん」  ハァハァと、荒い息づかいが響く。律が腕を伸ばして、俺の背を抱きしめた。そのまま抱き着くようにして、律が全身で俺を受け入れる。 「あ――っ、は……、はっ……」  律の眦から、涙がこぼれた。薄く開いた唇が求めるままに舌を伸ばし、息が苦しいのにキスをする。繋がっている部分が、ドクドクと熱く脈を打った。 「は……、ん、こうへ……」 「律……、律、世界一、可愛い……」  俺の言葉に、律がふは、と笑った。その顔が、愛おしくて、またキスを繰り返す。 「ん――、は……、航平……、動い、て……」  誘われるままに、腰を突き上げる。ゆっくりとリズムを刻むように、挿入を浅く深く、繰り返す。揺さぶる度に律の耳が揺れるのが可愛かったが、多分、律は解っていない。思わず笑う俺に、律が「なに?」と小首を傾げた。 「可愛い」 「そればっか」  仕方ないじゃん。可愛いんだもん。  律は唇を曲げたが、まんざらでもない様子で顔を赤くしている。本当に、七つも年上とは思えないな、この人。  腰を打ち付ける速度を早くして、何度も挿入を繰り返す。律がビクビクと身体を震わせる。白い喉をさらけ出し、胸を弓なりに反らせた。はだけた胸に唇を落として、下から大きく突き上げる。 「っあ!」  ビクン! 電流が流れたように、律が跳ねる。ぬぷぷと奥まで貫き、尻たぶごと押し付けた。 「ぃうっ……、んっ!!」 「律……っ、律……」  ハァ、ハァと息を吐き出す。スーツの隙間から無防備にさらされた律の性器が、ピクピクと跳ねあがった。突き上げる度に白い精を吐き出している。俺は一際大きく身体を引き抜き、一気に奥まで叩きつけるように入り込んだ。グリっと中のしこりを刺激してやると、律が声にならない悲鳴を上げた。 「―――っぅう!!」  律がイくのと同時に、穴がきゅうぅっと締め付けられる。その刺激に耐えられず、俺も律のナカでイった。 「くっ……!」  律は膝をヒクヒクと震えさせ、何度も身体を震わせた。 「はっ…、は、ん……、ぅ……」  ゼェゼェと息を切らせながら、身体を抱き寄せ口づけを交わす。はむ、と唇に吸い付き、ちゅくちゅくと舌を絡ませる。 「ん……、あ……ぅ」 「律……、可愛かった……」 「は――…、ん…、こ、へい……」  律の中から性器を引き抜き、コンドームを外す。一度では満足できそうにない。恋人が可愛すぎる。 「律、後ろ、向いて」 「え……、ちょっと、休ませて……」 「うん」  うんと言いながら、四つん這いになった律のウサギのしっぽが可愛くて、ヒクヒクと蠢くアナルに指を挿入する。 「ひぁ、んっ! 航平っ…」 「あー…、すげえ、良い」 「も……、だめ、だって……、ん」 「うん」  ダメだわ。律がエロ過ぎて。無理。  まだヒクヒクと脚を震わせる律の腰を掴み、再び猛った性器を尻の割れ目に押し付ける。 「ちょ、航平っ」 「律、愛してる」  俺はそう言うと再び律の中へと押し入った。 「あっ…!」  結局、コンドームの箱が空っぽになるまで、律に欲をぶつけてしまったのだった。

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