12 / 58

どっちも悪い

シャワーを浴び、脱衣所で体を拭いていると 何やら部屋の方から音がした。 ネコヤが起きたのか…? すると、ドアが勢いよく開けられ 半泣きのネコヤと目が合った。 「ど、どうした…?」 ネコヤが俺に突進してきて 抱きつかれた。 「え、どうしたんだ?体が痛いとか?俺が悪かっ…」 「ごめんなさい!!」 なんで抱きつかれたか分からず 咄嗟に謝ろうとしたら ネコヤが先に爆音で謝ってきた。 「え?」と思わず拍子抜けする。 「薬とか使って本当にごめんなさい。もうしないから、許してください」 グスグスと鼻を鳴らしながら ネコヤが謝っている。 確かにネコヤが発端ではあったけど 後半の無理は俺がしたことだし… ふとネコヤに目線を下すと 白く脱色させたふわふわだった髪が 色々な液体のせいでカピカピしている。 「ネコヤ。分かったから。俺、怒ってないし、とりあえずシャワー浴びな」 「グスッ…、ほんとにもう、怒ってない?」 「うん。体冷えちゃうし、シャワー浴びて服着たら寝よう」 「うん」 ネコヤはすんなりと俺から離れて 浴室に入った。 俺はいそいそとタオルや服を準備して 新しいシーツと布団を出して ベッドメイキングをした。

ともだちにシェアしよう!