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初出勤

なんとか初出勤日までには了承をもらって とりあえずは安心した。 けど… 「そこ、そのお客さん来ないよね?」 という遠田さんの声が蘇る。 最初に出会ったのはお店だったし ゲイ向けの風俗なんてそこまで多くないし 使う可能性、全然あるよね… しかも、情報量多い方が人気でるからって 割と顔写真とかプロフとか 多めに情報載せちゃったし… 僕、バカだ… 自分の無能さに頭を抱える。 それでも、初出勤は来るわけで… 待機場に入って割とすぐに予約が入った。 スタッフさんの運転でホテルに向かう。 「あれ?ネコヤさん、緊張してます?」 「え、あ〜…、このお店に来て初めてだし、久々だからそうかも」 流石に前のお店の時のヤバい客が来るかも とは言えず濁す。 「ネコヤさん可愛いし、多少失敗しても何とかなりますよ!応援してます」 「あ、ありがとう」 スタッフに気づかれるくらいだから 僕の表情は相当硬いのだろう。 なんとか部屋に入るまでには解しとかないと。 指定されたホテルは前の格安店の客が 指定してからホテルより 何ランクか上のようだった。 外装もお部屋も結構綺麗… 指名をくれた人も、割と年齢は高いけど 僕みたいな人間にも気遣ってくれる人だった。 それに、あのお客さんじゃなくてホッとした。 ただ、いざプレイとなって気づいたけど 遠田さん以外の人に触れたり、触れられたりするのがちょっとキツイかも… おかしいな。 前のお客さんの時は多少、嫌な感じの人でも 一緒にシャワー浴びてしまえば なんてことなかったのに… 本番無しでもちょっとキツイ… それでも、やり方は熟知しているし 可愛がられるのも得意だから 指定された時間内は上手くやれたと思う。 すんなりと終わって、迎えを呼んだ。 その後に1人指名が入ったので また向かった。 ようやくお店に戻れたのは11時過ぎだった。 たった2人だけなのに疲れた… 前は何人でも回せるだけ回せって 間の時間が10分しかないこともあったのに。 それに比べればこのお店はそんなに 無理をさせない方針なのかも。 初日だからってだけかな。 それでも、あのおじさんに会うかも と言う不安は拭えない。 なんだか早く遠田さんに会いたくなって お店のシャワーを浴びて いそいそと帰宅した。

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