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知りたい

飯田さんの誘い、断った方が良かったかなと 後悔しながら帰宅する。 いつも先に僕が帰宅して家事をするけど 今日は気分が乗らないからか どうしてもいつもよりノロノロとしてしまう。 何度も遠田さんに謝罪のラインを 送ろうとしたけど いざ文字を打とうとするとなんで書いていいか分からない。 元彼たちの時は、都合とか関係なく 好き放題送ってたし よく浮気をする人たちだったから こっちもなりふり構ってなかったけど 遠田さんはそう言うのじゃないってわかるし 何より迷惑をかけたくない。 遠田さんの帰宅した音でびっくりする。 いや、そろそろ来る時間だって 分かってはいたけど…、なんて言おう。 「ただいま…、あれ?八尋?」 いつもは出迎えるのに 今日は出そびれたから遠田さんが困惑してる 「あ、おかえりなさい」 おずおずと玄関に顔を出す。 「良かった。どっか行っちゃったかと思った。それこそ、夜の店とか」 冗談なく笑ってるけど 前回の勝手に夜の店事件は割と 遠田さんの中に残ってるみたいだ。 申し訳ない… 「ごめんなさい。もうしない」 「分かってるよ。ごめん。俺も嫌なこと言っちゃったな」 靴を脱いで俺の横を通り過ぎざまに 頭を撫でられる。 彼氏っぽい仕草けど、そんな意図がないとしたら 子供扱いされてるのかな。 「あの、遠田さん。今日のお店でのことなんですけど…」 「ああ。急に同僚連れてってごめんな。ちょっと距離感近いけど悪い奴じゃないんだ。2度と八尋とは呼ばせないから」 「あ、えと…、それはいいんですけど、飲みに行く方のことで」 「よくないだよ。やっと俺が呼べるようになったのに、急にそれは飯田ばかりずるいだろ。 飲みの方は社交辞令だからあまり気にするな」 最近、遠田さんがよく名前で呼ぶからそろそろ源氏名を名乗るの辞めようかと思ってたけど 飯田ばかりずるいって何のことだろう と思いつつ、やっぱり来てほしくないよなと落ち込む。 「やっぱり僕なんかが行くの、迷惑だよね。 ごめん、社交辞令を間に受けちゃって」 「いや、そう言う訳じゃないよ。 ただ、八尋に無理してほしくないだけだ。 行きたいなら行こう」 「本当に…?じゃあ、僕、行きたい」 「…、そっか」 遠田さんは迷惑じゃないと言いつつも やっぱりそんなに乗り気じゃないみたい。 でも、僕も飯田さんに聞きたい事があるし… とにかく、僕が折れなかったので 3人の都合を合わせることになった。

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