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わくわく

それから数日は、遠田さんとのギクシャクもなく、2日に一回はヤってくれるし 順潮な日々が送れていた。 ある日の夜、いつものように 遠田さんが帰宅する。 ご飯を食べていると「そういえば」と 話しかけられた。 「こないだ紹介した飯田が、 今週の金曜、飲みに行こうって言ってて 八尋はどうかな?」 「え?」 「シフト的には次の日休みだと思ったけど、 都合悪いか?行きたくない?」 「ううん!嬉しい!金曜日大丈夫だよ」 「そっか。じゃあ飯田にも伝えとくな。 俺たちの職場近くの居酒屋にするみたいだから、仕事終わりにバイト先に迎えに行くな」 「うん!楽しみ」 僕が笑うと遠田さんもホッとしたように笑った。 仕事終わりに迎えにくるなんて なんだか恋人みたいだ。 でも、浮かれてもいられない。 もしも遠田さんが僕のことを 友達とか同居人として紹介してくれてるなら 僕もそういう振る舞いをしなきゃいけない。 恋人ヅラしないようにしないと。 メンヘラゆえ、マウントとってしまうのが 僕の悪いところでもある。 居酒屋なんて久々だなぁ。 前のバーの店長からもらった梅酒とかは ちょびちょび飲んでたりしたけど 外で遠田さんとお酒を飲むのは初めてだ。     気を張りつつも、僕は少し浮かれた。 金曜日。 仕事中も少しそわそわしてしまっていた。 「ネコヤくん、今日どうしたの?」と パン屋のおばちゃんに気づかれてしまった。 「すいません。なにか間違えてましたか?」 と焦っていたら 「違う違う。なんだかいつもより嬉しそうだから。良いことあったの?」と言われた。 実は今日、仕事終わりにデートなんです、と言ったら「羨ましいわ〜」と囃された。 パン屋のおばちゃんには隠しきれなくて 実は遠田さんが恋人であることは こっそり教えてしまっていた。 っていうか嘘がつかなくて 先におばちゃんに勘付かれた。 男同士ということもあって 他のスタッフには秘密してもらってる。 本当に過ごしやすい環境を作ってくれて 遠田さんにもパン屋のおばちゃんにも 感謝しかない。

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