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第5話 リリヤとシュレヴィの譲れない攻防。
「あの、辺境伯領までは、どのくらい?」
「大体、2~3時間だな」
「へぇ、ち、近いね」
普通は1週間以上かかるはずなのに。
「そうでなくては、火急の際にすぐに戻れない」
まぁ、辺境伯さまが留守にしている間に、何かあったら大変だもんね。
「空飛ぶ馬車なんて、初めて」
酔わないだろうか。
「空飛ぶ馬車は結構有名ですよ。辺境伯家などでは、移動に時間がかかるのでこうして空飛ぶ馬車を所有しているって」
ユッシは知っていたようだ。
「リリヤ」
「シュレヴィ?」
窓の外を眺めて、油断したのだろうか。
するり。
ひんやりとした、細長いものが股間の秘部に触れる。
「あ゛、やあ゛ぁぁ゛ぁ――――っっ!!?」
遂に、遂に俺のおパンツが突破されたぁ―――っっ!!
「らめぇっ!シュレヴィらめぇ―――っっ!さすがにす、素肌はっ!!見られるぅ―――っ!!」
ちらっ。
ぎゃっは―――っ!ユッシがガン見してるんだけど。何でかな、この子。そう言うの好きなの!?見たいの!?
「ひざ掛けでも掛けたらどうです?」
しかしながらユッシは助け舟を出してくれた。
うぇえぇっ、えっぐっ。そんな案があるならもっと早く知りたかった。
「あぁ、お目見えだ」
シュレヴィが妖艶に微笑む。
「ダメぇ―――っ!!?」
俺のtmp出すんじゃありません~~っ!!
ふぁさっ
しかし、寸でのところでユッシがひざ掛けをかけてくれた。
「あ、あっぐっ、あ、ありがとっ」
「いや、ひざ掛けの下でやられてるってシチュもなかなか、いいもんですね」
あくまでも堪能する気かいいぃぃぃっっ!!
「あの、ところでこの世界、何か似た原作のものが、んひゃっ!?あ、あるのかな?」
「あぁ、やはりリリヤさまはご存じなかったんですね」
「うん、そうだね。あひゃっ」
い、今結構大事な話をしているんだけども。ご想像の通り。ご想像の通りですよー。今、ひざ掛けの下では、シュレヴィが絶賛俺の股間を探索中。
「あ、だ、だしちゃ、らめっ」
「何故?そのための、ひざ掛けではないのか?」
そう言う解釈にいったぁ―――っ!ひざ掛けかけたんだから、えぇやんけおっぴろげみたいなノリでルンルン気分だよ。美しすぎるほどに妖艶に微笑みながら、耳元で甘い声で囁いてくるんだよっ!色気半端ないいぃぃっ!!
「あ、や、おぱんつっ」
降ろしてるっ!?
それはさ、さすがにぃ~っ!
「実はですね、この世界ですけど」
ちょま―――っ!?この状況で言うの!?説明入るの!?そりゃぁ聞いたの俺だけどもっ!
「あっんぁっ、だ、だめっ。シュレ、ヴィ、今、話をっ」
「何だ、その表情。あぁ、最高だ。今すぐ、食べてしまいたい」
た、食べてしまいたいって、どう言う意味ぃ―――っ!?ちょ、何舌なめずりしてんのっ!?
「今、めちゃくちゃ肉食獣に貪り食われそうな表情してますよ」
そ、そんなぁ―――っ!?何その表情、俺そんな表情してんのぉっ!?
「やっぱり、しゃぶりたい」
肉食獣のような瞳が、ギラリと光った。ひぃ―――っ!?
「美味しそうな、匂いがするんだ」
いや、するの!?俺の股間からそんな匂いが、するのぉっ!?ハッとして、ユッシを見やれば。
「いや、そこは普通に、攻めさま特典じゃないんですか?」
マジでっ!?そんな特典あんの!?
「ん、リリヤのここは、私だけのものだ」
何処にどんな独占欲向けてんのシュレヴィはっ!
ぽろんっ
ひゃ―――っ!下でっ!ひざ掛けの下で、出ちゃったぁ―――っ!
ぢゅるりっ
シュレヴィの舌なめずりが、耳のすぐそばで、聞こえるぅ―――っ!!!
幻聴ではない。確実に、舌なめずりだ。だって、時折俺の耳を舐め上げたり、甘噛みをキメてんだよっ!?
「あ、うぅっ」
「あぁ、そうだ忘れないうちに。この世界ですけど」
あの、やっぱりこの状況で進めるのか?シュレヴィにtmpさすられながら、耳元でエロい囁き聞きながら、この世界についての解説とかありなのかっ!?いいのかこの流れでっ!!
「小説です」
「そ、ぉっ。はぁんっ。げ、むじゃ、ないのっ、あぁんっ」
何か、逆ハールート目前って感じじゃなかったのかな、あのシチュ!?その直前で王太子妃になるのがユッシからセラフィーネになっただけで!?
と言うか、今俺のセリフ官能小説朗読会みたいになってんだけどぉっ!?
「あっ!?やっ。そこ、はぁっ!?」
ちょっと、シュレヴィったらっ!
どこ触ってっ!あぁ、そこキノコの出っ張ってる部分周辺国敏感なとこおぉぉっ!?国境越えちゃだめぇ越えさせんといてぇっ!?国境守る辺境伯でしょぉがぁっ!
ひいぃぃっ!しかも指で器用にわっか作ってさすってくるのやめてぇっ!!
これも……国境を預かる辺境伯であるがゆえの技なのか!?そうなのかぁっ!しかも砦の重要拠点のてっぺんを、ぐにぃっ。
「ひ、ああぁぁぁんっっ!?」
「あぁ、悦いな」
何そのご満悦顔おおぉぉぉっっ!!
「ゲームっぽいでしょう?まぁ、そう例えるとわかりやすいんですけどね。例えるならばー」
いや、もう内容頭に入ってこないいいぃぃぃっっ!!
「あ、しゅれ、う゛ぃっ!は、なしをっ」
「ん?どんな話だ?何でもいい、話してみるがいい」
いーやあぁぁぁ―――っっ!もはや、シュレヴィの中では2人の世界っ!ストーリー展開に於いて大切な、一番大切な原作の知識が語られているシーンなのにお構いなしっ!
「だ、ダメぇっ!は、話聞くまでは、出撃禁止いいいぃぃっっ!!」
ここは、ここは主人公として耐えるべきっ!今後の俺の展開にも関わる重要な事実確認だから!ここは、譲れないいいいぃぃぃぃっっ!!
「な、んだとっ!?」
シュレヴィが、愕然としていた。でも、これでいい。
「いい。それじゃぁ、聞かせてくれ。ユッシ」
これで、いいんだ。
「もう組み敷いてしまえば、いいだろうか」
シュレヴィが、カッと目を見開いた。
ひぃっ!?
ヤバい、シュレヴィが強硬手段に打って出ようとしている!?どこで、どこで間違えたんだ、俺えぇぇぇっっ!!
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