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第10話 リリヤの秘密。

「あぁ、朝か」 目が覚めた時には、既に陽が昇っていた。 昨日は、しゃぶられた。しゃぶりつくされた。 もう、何度も何度もイッた。俺の蜜は有りえないくらいでた。なんでも、魔力量も関係しているらしい。そしてそれをシュレヴィは一滴残らず飲み干していた。 どんだけ食欲旺盛なんだもうっ!! 「リリヤ、体調はどうだ?因みに私は、昨晩リリヤのをしゃぶりまくれてとても幸せな気分だ」 俺の隣には、もちろんシュレヴィが寝っ転がっていた。もれなく顔を向かい合わせた状態で、腰を抱き寄せられながら。 もちろん、その腰ホールドには、俺を是が非でも逃がさないと言う攻めさまの強い意志を感じた。うぐっ。 「その、すっきりはしている」 今までにはなかった感じだ。今までは身体の中で熱が暴れて、魔力が暴れて、大変だったから。そしてそれを、やみくもに発散することしか知らなかった。 「こんな方法があるなら、もっと早く知っておけば良かった」 とは言え、ひとりで抜くしかないのだろうけど。 「私以外にリリヤの蜜をしゃぶらせることなど、許さない。リリヤの蜜をしゃぶるのも、その快感を与えるのも、私だけで良い」 くわっと目を見開きながら、シュレヴィが告げてくる。 「いや、何言ってんの!?」 そう言う意味で言ったんじゃないからっ!あと、俺の蜜しゃぶりたいとか言ってくるのはシュレヴィだけだと思うがっ!?むしろシュレヴィがそれ言ってきたのが今でも不思議でならない。昨晩、しゃぶられたが。ほんと、マジでシュレヴィが俺の蜜をしゃぶりたかったのだと思い知らされるほどのしゃぶりっぷりだった。 「俺の蜜しゃぶりたいとか言ってくるのは、シュレヴィだけだろ?それに、シュレヴィ以外になんて嫌だ」 さすがに蜜しゃぶられるビッチとか。新しいBLのジャンル開かないか!?これぇっ!! 「そうか、私だけか。私以外は、嫌か。そうか。ふふっ」 だが、シュレヴィが満足げに微笑んだので、まぁ、いいのか?取り敢えず赤い瞳なのに闇を孕んだ瞳ではないから、病みモードは去ったらしい。 「それにしても、シュレヴィは俺の体質のこと、知っていたのか?」 「うん?よくは知らない」 「え」 「だが、何となくわかる。魔王の血のお陰か、魔力に関しては本能が働くものでな」 「魔王の、血」 「そうだな。リリヤはすごい魔力を持っているな。あと美味しかった」 「いや、味の感想はいいから」 てか、美味しかったのか、俺の蜜。苦いと聞いたことがあるものの、そんなの感じさせないほどにシュレヴィはしゃぶりまくり、呑みまくっていた。 「俺、何でこうなのかな」 ずっと、分からなかった。 「魔王の血も引いていないのに、こんな魔力持って、変な体質で」 魔力が暴走して破壊衝動を起こす。 魔王の血を引いているシュレヴィや、弟のイェレミアスの場合、魔王の血を引くことで身体能力が優れていて、魔力量も果てしないと言われている。 「何で、なんだろうな」 それで、公爵家(じっか)では失敗している。 みなから見放されて、かつての異母兄(あに)からは遂に、公爵家からも除籍されてしまった。 「さぁ。だが魔王なら分かるのではないか?」 「え?」 魔王って、昨日見かけた魔王か!?この屋敷の中にいる、シュレヴィたちの魔王の血の源流! 「わ、分かるの?」 「うむ、呼ぶか」 「よ、呼ぶっ!」 俺としても是非、その謎を知りたい! *** ―――5分後、魔王が来た。 「あ、や、やめろっ!変なトコ、触んなっ!あっ、ヴァルトぉっ!」 但し、魔王の股間を片方の手でまさぐりながら、反対の腕で魔王の身体を後ろから抱きしめるヴァルト付きで。 「ダメです。昨晩あんなにかわいく鳴いておいて、俺を置いて出かけるなんて、いい度胸です。腰も立たないほどにあんあん鳴かせて差し上げたのに、まだ、足りませんでしたか?」 くわわっと目を見開くヴァルトがホラ―――っっ!病んでるっ!このひと病んでるぅっ!! 「あ、ぅっ!俺は、魔力で自動ヒールすんだよっ!魔王の魔力は、ほぼ無限だからぁっ!!」 マジで!?魔力が尽きることがないってこと!? 「因みに、私もほぼ尽きない。これでも先祖返りで特別性なのだ。魔力で自動で精力維持しながら、一晩中でも一週間でも注ぎ続けられると思う」 しれっとシュレヴィが告げた。ひぃっ!?何それ恐ろしいっ! 「俺の腰すっごいことになるだろ!?」 「リリヤも魔力量は豊富だから、問題ない。自動ヒールされるだろうし、それに私にたくさんしゃぶらせてくれる」 「ひぃっ!!そう言えば俺もそうだったぁっ!!」 俺の場合ある程度発散すれば暴れる魔力は落ち着く。だが、限界まで魔力を出したことなどないから、限度があるのかは不明だ。 「魔王とは、こんなにも素晴らしい」 「リリヤの後ろの蜜壺にいれるのも、楽しみだな」 ドエロ攻め2人が、うっとりとしたように告げ、俺と魔王の受け2人が心の中で悲鳴を上げたのは言うまでもない。 「と言うか、ヴァルトは吸血鬼なのに朝平気なんだ」 まぁ、学園にも普通に来ていたしなぁ。 「人間の血も引いているので、平気です。あと、眩しいだけでそこまで影響があるわけではないですよ。単に夜目が効くので、闇に乗じて活動するのが得意なだけです」 と、ヴァルト。 「あなたさえ望めば、昼間もあなたのナカを存分に……」 「やめいいぃぃぃっっ!!」 ヴァルトの誘惑に、魔王がツッコんだ。あ、魔王ってツッコミ仲間じゃん。今更、どうでもいいことに気が付いた。 「そ、それでさ、魔王を呼んだ本題のことだけど!」 ダメだ。このままではドエロ攻め2人がえちえち談義を発展させていく気がするので、ここら辺で軌道修正しなくては。 「ん?そう言えば聞きたいことがあるんだって?何だ?」 ヴァルトの手を股間からのけた魔王が、俺に向き直る。ヴァルトは不満げながらも、後ろからぎゅむーっと魔王を抱きしめている。 「俺のことです」 「リリヤの魔力は、激しく荒ぶるほどにすさまじい。ただの人間には過ぎたものではないか?」 ただの人間には、過ぎたもの? 「そりゃぁ、そうだろ。お前、半分人外じゃん」 魔王がケロッと告げた。 「はい―――っっ!?」 は、はん、ぶん? 「じゃぁ、先代サフィアス公爵がかっ!?」 「いや、先代サフィアス公爵は人間だ。あと、今のサフィアス公爵も」 と、シュレヴィ。ヴァルトの正体も見破っていたようだし、シュレヴィはそう言うのが分かるようだ。魔王と同じように。 「そうなのか。私にはよく分からない。リリヤが好きすぎるせいだろうか」 どてっ。そんな理由あるぅっ!? それに、サフィアス公爵の血筋じゃないとすれば、 「俺の、母さんが?」 「人間だと思ってたなら、人間に擬態した何かだったんだろう」 「でも、そんなっ」 母さんは、人間だった。普通の人間で、平民で。 「リリヤの母君についても調べてある。夜盗に遭われて、亡くなられたと」 「そう、だよ」 治安が悪いところでもなかったのに、ある夜いきなり帰らぬひととなって、その夜に先代サフィアス公爵が俺を迎えに来た。 奇妙なほどに、タイミングよく。 「まぁ、お前と似た魔力の持ち主なら、探ることもできるが?」 と、魔王。 「でも、母さんはもう」 死んでるんだ。何年も前に。そして平民だったからと共同墓地に埋められた。その金くらいはと、サフィアス公爵が出してくれたけど。 「その、ヒントになる縁者なら見つかるかもしれないが。俺は少なくとも血族のシュレヴィやイェレたちの居場所なら分かるし」 「そう、なの?」 じゃぁ、母さんのヒントになることが、分かるだろうか。 「そうだな」 「では、そうしよう。何かヒントを掴んだら、お前が欲しがっていた外国産の酒を取り寄せてやろう」 「乗ったっ!!」 魔王はシュレヴィがちらつかせた褒美に、いとも簡単に飛びついた。 いいのか、魔王がこんなにチョロくて。

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