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「い…やに、決まってんじゃんかっ…」 ぽろりと本音が、涙と一緒に零れ落ちて。 俺はくしゃくしゃと雪緒の頭を撫でる。 「俺もだ。何より今日は…特別な日だったんだからな。」 きっと去年みたいに、お前がやってくるだろうと。 この日を楽しみにしてたんだと告げれば…雪緒は真意を探るよう、黙って俺を見つめてきた。 「クリスマスだよ?男の、オレなんかとじゃっ…」 「お前がいいんだよ。」 はっきり断言すると、やはり雪緒は真っ赤になって俯いてしまい。 「…そんなこと言って…期待させられても、困るしっ…」 未だ過去のトラウマを抱える雪緒は。 ここまで来ても、疑心を捨てきれないようだったが… 「雪緒…」 「な、にっ…?」 おもむろに雪緒を抱き寄せ、耳元で囁く。 「期待しろよ…俺に、」 昔の傷も他の男の苦い記憶も。 全部、忘れさせてやるから… 「好きだ…雪緒。」 「智っ……さ…」 欲しがってた言葉を、直球で与えてやれば。 雪緒は嗚咽を漏らしながらも、そろそろと俺の背に腕を回してきた。 「雪緒…」 「ん…」 そうなれば、俺の自制心などもう不要なわけで。 抱き付く雪緒の顎を指で掬い、キスを請う。 すると雪緒は恥じらう素振りを見せたが…。 応えるよう、すぐに目を伏せたので。 俺は遠慮なく、唇へとそれを重ね合わせた。 「んっ…ふぁ…」 久方ぶりの口付けは、思いの外快感で。 いや、相手が雪緒だから特別なのか…甘く俺を誘惑してくる。 昔は遊びまくってたって話なのに。 目の前の派手な容姿の雪緒は、まるで初めてキスをするかのような…初々しい表情をしてみせるものだから。 やっぱり、可愛いなあと思った。 「なぁ、雪緒?」 するりと雪緒の腰回りに手を滑らせ、抱き寄せる。 「今すぐ、お前が欲しいっていったら…」 どうする?と…下半身の熱をわざと知らしめ、問えば。 「あ…でもっ、智久さんはノンケだから…」 根っからのゲイじゃない人間が、いきなり男相手に。そういう行為に及ぶのは抵抗があるだろうと。 雪緒は不安を露にする。 多分コイツは、俺が実際にコトへと及んで。 冷めたりしないかと、心配してるんだろうが… 「平気だ。むしろ、我慢出来そうにない…」 雪緒が欲しい────… そう耳元に口付け求めれば。 雪緒はビクンと肩を揺らし、熱っぽい声を漏らす。 「ほんと、に…?」 「俺はそんな無責任な真似、しねぇよ。」 なんなら一生かけて大事にするから。 そこまで言い切ったら、もう… 雪緒の目には迷いなど無くなっていた。

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