16 / 113
第16話 裏切り者
「んっ…はあんっ…あん💗」
口を開けば変な声しか出ない。
体の中を駆け巡る熱が俺をおかしくしている。
寝ている間に何をしたんだ?
そう言えばアイツがなんかしたって言ってた!
「あぅっ!」
エイプに壊された尻から生暖かい水が滴りベッドを濡らす。
「ああっ!!いっ、やだっ、死ぬのか?…あん💗」
「そんな事はありません。落ち着いて下さい、大丈夫ですよ。私では不安なのですね。今フリーレル様をお呼びします。神子様、どうかそのままでお待ち下さい」
エイプを呼ぶだって? 嫌だ、体を治すのはエイプ以外のやつを呼んできてくれっ。
「エイプ…いやぁ💗…やめ…他の…」
俺の話を聞いていない、ロコデシが部屋を出ようとすると誰かが入ってきた。
エイプが来たのか?!
不安と期待で尻が疼く………ちょっと待てなんで期待で疼くんだよっ!!
「あ、ギウラ、丁度良い所に来た。神子様が不安がっておられる。フリーレル様を起こして来てくれないか」
「儀式が失敗したのか?」
ほー、エイプじゃない。助かった。お前でいい早く俺を…
「フリーレル様が失敗するわけ無いだろう。そうじゃない。神子様がお体のことで不安になられて…うぐあっ!」
「良かった」
状況説明しているロコデシの胸にギウラがナイフを突き立てた。
「何を…する…ギウラっ」
「いつもいつも俺の前に立ちはだかって、鬱陶しかったんだよお前は。フリーレル様より偉い方が俺の魔力を認めて下さって…フリーレル様じゃないな。俺はフリーレルより高い地位を約束されたんだ!」
「なにをバカな…こと…を…」
「おい、誰にも気付かれないように運び出せ。」
廊下にいる何者かに指示をすると静かに影がぐったりとしたロコデシを運び出した。
こ、殺した?
大変だっ、こいつらに俺も殺されるっ!逃げなくちゃ…
4人の男達が俺の両手足を掴んで「失礼します。神子様。」とベッドに押さえつけた。
「放せぇ、ああんっ、はうぅ、ああぅ💗」
身体の中から湧き上がる熱をどうにかしたくて自然と腰を揺らしてしまう。
「これで本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫です。もうすぐです。お待ち下さい」
ギウラの横で偉そうに俺を見下ろす…男の顔は………
あのキラキラの皇子様だった。
ともだちにシェアしよう!