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第104話 過保護

「いつまでここで生活しなくちゃいけないんだ。魔物を全部倒したら元の世界に帰れるんじゃないのか?」 「まだ時がたっておりません。もう少しです」 「もう少しっていつまでだよ」 「そうですね。あと5日くらいで この部屋を出ることが出来ます」 俺の腹を見てにっこりと笑って答える。 「あと5日、本当だろうな」 「はい、5日後には必ず。神子様一緒に幸せになりましょうね」 うげっ!エイプの頬を染めた笑顔が気持ち悪い。 少なくともお前とは一緒に幸せにはなりたくない。 あと5日の辛抱か、まあ快適だから良いけど、それにしても運動もしていないのにやたらと腹が空く。 どうしてこんなに腹が減るんだろう。 眩しくて今まで見ていなかったネオン腹に目を落とせば食べ過ぎでポッコリと中年オヤジのように膨らんでいる。 ヤバイ!!!!!マジでヤバイ、ぐーたらしすぎた。 こんなだらしない身体じゃ向こうに戻った時、モテないし馬鹿にされる。 運動して身体を引き締めないと駄目だ。 早速部屋でラジオ体操をするがやせた気がしない。 やっぱりランニングした方が良いか、全身使うしな。 過保護になっているエイプがいない時を見計らい、魔法学園の庭を走ろうと部屋を出るとエイプの配下のメイド達が邪魔をしてくる。 「神子様どちらにお出かけですか?」 「ちょっと退屈だから庭を散歩してくる」 「それではお供致します」 「いいよ。一人で行ってくるから」 「神子様のお身体に何かあっては大変ですので」 メイドを連れてランニングなんて出来ず、競歩の様に早歩きをするとメイドが俺を捕まえて止める。 「転んでしまわれたら大変です。ゆっくりと歩いて下さいませ」 「ちんたら歩ってたら運動にならないだろう」 「大事なお身体で運動なんて滅相もありません」 「身体は大事だけどデブになりたくないんだよ」 「なりません。神子様」 メイドは俺の言うことを聞かず、仕方なくだらだらと歩く。 気分転換にはなったけど身体は全くやせた気がしなかった。

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