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第2話
「ひょえええええええーーーーぇ、うわああああっっっっっあああああぁ、ぎゃあー、燐んんんん、たあんまたあんま~!!」
「えっ?でも、コレ以上は流石にスピードは落とせれないよ?」
急降下する燐の魔法に、俺の心臓がついていけない。
ジェットコースターとか、飛行機の比ではない速度に口から胃が飛び出して来そうだ。
「だあったあらあぁぁぁぁ、せえめえてぇええええ、下向きいはあやあめえよぉおお!!」
地面に叩きつけられそうな感覚にもう俺の理性はブチ切れていた。
「仕方ないな。今回だけだよ?」
ほら、こっち向いてと俺の身体を難なく回転させた燐は、俺の首に腕を廻していた。
あ、この体勢イイかも♪
そう鼻の下を伸ばす俺は燐の細腕に興味津々であった。
女の子のような身の細さのどこにこんな力があるのだろうと思うくらい、燐の腕力は男の子のソレと同等である。
そう言えば、初めて燐に会ったときも身の丈と同じくらいの大きなじんべいザメのぬいぐるみを楽々と担いでいたことを思い出した。
ソレと同時に、毎日、筋トレをしていることも付属品のように思い出す。
そして、あの大きなじんべいザメのぬいぐるみを殆ど担いでいた燐は、俺よりも腕力があるんじゃないかと思った。
そんな下らないことを考えているうちに顔面からの風圧がなくなって、背中で受ける強風に身体が大きく反り返りそうになるが、燐の重みでソレも多少は回避される。
人形でもソレ相当の重みがあるんだから、人間の燐にソレを感じないのは可笑しいことだと気が付くハズなのに、俺は燐にそう感じてなかったようである。
しっかし、人の体温ってどうしてこう落ち着くんだろうと一人でほっころして、前向きよりかは危機感を迫られないから大いに心にゆとりが持てていたのだろう。
そんな俺に、燐はゆっくりと自分の顔を近付けて来てこう言って来た。
「こう言う格好するとキスしたくなって我慢出来なくなるから、嫌なんだけど……」
と。
しかも、少し照れた顔と、ソレでも俺から離れたくないと言う雄らしい燐の顔は矢鱈と艶やかで、俺の理性は再びブチ切れる。
安息の日を下さい的なほんわかオーラにも関わらず、雄化した俺はヤンチャだった。
ああ、ホント、穴があったら入りたいと言うのはこのことだと思ってしまうくらいに。
が、やっちまったことには後戻りも立ち止まりも出来やしない。
ココはもう突進あるのみである。
数秒前までは余りの恐怖に泣いていたにも関わらず、俺は野獣根性で燐の舌を貪っていた。
「………んんっ」
やんめっと抵抗する燐だが、鼻から抜ける甘い吐息とねっとりとした視線は物凄い熱い熱を帯びていて、怒っている素振りは全くない。
と言うよりも、逆に俺の口内に舌を入れて来て早く吸ってと言う感じで俺の舌や上顎を容赦なく舐め取って来た。
全く、こう言う誘い方ってどこで調べて来るんだろうと思いながらも、こう言うキスは好きな方だから俺も止めてやらなかったけど。
「い、や、……はっ、………んっ、………ダメっ」
煽っておいて、そう言ってしまう燐はやっぱり経験不足なんだろう。
行動とソレとの身の丈があってないから、強すぎる快楽から逃げ出そうとする。
そんな燐を押さえ付けて、俺は顎を掴むと無理矢理上に引き上げた。
「……んっ、………ゆるふて、………おねはい、…稜ちゃん……」
ホールドされた俺の腕を軽く叩いて、燐はそう言うが、燐の唇は燐の意思とは反してイヤらしく光っていた。
「ゴメン、燐、止められそうもない。だから、俺に堕ちて……」
そう燐の耳元で囁けば、燐は首を大きく横に振って身体を大きく跳ね上げた。
燐は肩をフルフルと小刻みに振るわせて俺のことを射抜くが、ソレも束の間だ。
急に降下速度が増加して、元の速度に戻ったと思ったら、俺の悲鳴までもが舞い戻って来やがった。
当然、口を燐に塞がれている俺は燐の口の中にその残念な悲鳴を轟かしたことは言うまでもないだろう。
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