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第4話

見慣れた家の前で足を止めた。表札に内宮の名前を確認し、インターホンを押した。暫くすると玄関の引き戸が開き、Tシャツとハーフパンツ姿の男が長身を屈めた。 「おかえり、大輔」  久し振りに聞く義兄の声に鼓動が跳ねた。ビニール傘に雨粒が当たって弾ける。俺の鼓動と重なり耳に響く。 「義兄さん、ただいま」  俺がいつものように笑うと義兄も笑った。さっきまであれこれ考えていたのに、会ってしまうとどうでもよくなってしまう……  俺は義兄さんが好きだ…… 義兄に促され玄関に入り、ビニール傘を靴箱の横に立て掛けた。 「なんだよ、別にインターホン鳴らさなくても開いてるから入ってこればいいのに」 「もう、義兄さん危ないから鍵掛けろって前から言ってるだろ」  そう言われると思った。でも義兄に出迎えて欲しかったから。少し照れ臭そうに笑う表情が 、気に入ってるんだから見ない訳にはいかない。本当の事言えないからついキツい言い方になってしまう。

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