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第24話 受験後

次の日、何事もないように昼間を過ごし、塾が終わって帰宅すると、ケイはいつものように勉強していた。 お風呂に入る準備をしていると、「一緒に入っていい?」と聞かれたので、いいよ、と言った。 バスタブに一緒に入ってキスをした。 反応する体を確かめ合う。 「……父さんと母さんには、絶対内緒だよ。こんなことしてるってバレたら、二人とも悲しむから…。」 ケイは、うん、と言って小さく頷いた。 ―――――――――――――― 受験勉強の方は意外と順調だった。 よくできたり、たくさん進んだときは、キスをするとケイは喜ぶ。 身体的な快楽が報酬というのは、わかりやすいしコストがかからない。 とはいえ、よくこんなに飽きずに毎日キスができるもんだな、と思う。 俺は、持ち前の勉強熱心さが出て、キスの仕方の本や記事を読んだ。 試せる相手がすぐにいる。 読んだらすぐにケイを呼ぶ。 俺が呼んでハグをしたらキスの練習が始まるんだ、というパブロフの犬のような習慣がついた。 ケイにも、してほしいキスの仕方を伝えた。 ケイの順応は早かった。 ある日、すごくキスが気持ち良かった日があった。 キスだけでイキそうになった。 大概、ケイだけが気持ちよく喘いでいるのだが、今回は俺も声が漏れた。 ケイは「嬉しい…」と言ってキスを続けてくれた。 ―――――――――――――― 受験はあっさりと合格した。 小6になり、授業動画が見れる通信教育を始めたのだ。 基礎力と学習習慣の下地ができているから、ケイの成績は面白いくらい伸びた。 ケイは中学生になり、学校の友達と充実した毎日を送り始めた。 「『スグルの弟だな』って、よく先生や先輩から言われるよ。デキる兄を持つと比べられて大変なんだよ。」 と、笑って言った。 俺も高2だ。 大学もエスカレーターとは言え、授業の進度が早く、油断できなくなっていた。 ケイと触れ合わない日が続いた。 ―――――――――――――― 俺に彼女ができた。 俺がよく勉強を教えていた、同級生だ。 「スグルくん、教えるのホント上手だよね。学校の先生とか、ならないの?」 と、言われた。 弟に3年間教えてたんだ。 上手くなるはずだよ。 ただ、ご褒美がキスなんだから、学校の先生にはなれない。 何気なく、彼女ができたことをケイに報告した。 ケイは「そうなんだ、良かったね。」とだけ言った。 その日の夜、ケイは俺の布団に入ってきた。 キスをしてくる。 「どうしたんだよ。」 と聞くと、 「……彼女ができたから、俺とはもうしない?」 と言われた。 勝手に自然消滅だと思っていたから、改めて聞かれて考えた。 そうしているうちに、ケイは俺のものを咥え始めた。 初めてだった。 気持ち良かった。 ケイのことだから、やり方を調べたんだろう。 ケイは中学生になったとはいえ、まだ体は小さい。 小さな口で一生懸命しゃぶるのだ。 「彼女とケイは違うから…したくなったら、言って…。」 快感で、そう答えるのが精一杯だった。 ―――――――――――――― ケイは、翌日も絡んできた。 セックスをしたいという。 いつかそうなるかもしれないと思っていたけど。 4歳差があって、俺はすでに大人に近い体格だ。 まだ子どものケイでは何だか可哀想に思えた。 ケイは猫のように擦り寄ってくる。 もしかしたら、彼女より先にしたいのかもしれない。 俺が好きなわけでもなく、快感のためでもなく、ただの嫉妬でセックスをする。 そんな気がした。 部屋が分かれていればなんとなくやり過ごせそうだが、この子ども部屋でずっと一緒じゃ逃げ場がない。 ケイの希望に応えた方が良さそうだと思った。 一緒にネットを見て、やり方を調べる。 今すぐにできるわけじゃなさそうだ。 また今度にしようと言うと、ケイは何度もキスしてきた。 俺にその気がなさそうだと感じると、がっかりしたように俺にもたれかかった。

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