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第3話 出会いと別れ ①

 僕の名前は『成瀬瑞稀(みずき)』  山崎晴人(はると)さんと初めて出逢ったのは、僕が5歳、晴人さんが13歳の頃。  僕が二歳の時に父さんが交通事故で死んでしまってから、女手一つ幼い僕を育ててくれていた母さんが、知人の紹介で晴人さんのお屋敷の住み込み使用人として働きだした頃だった。  僕の容姿は他の子供たちとは違っていた。青い瞳にシルバーの髪。肌は雪のように白い肌。  母さんの肌も雪のように白かったけれど、瞳も髪も綺麗な茶色で、僕と全く違ってた。  物心ついた時から僕は異端に見られ、心無い態度や言葉を浴びせられていた。  同世代の子供達からは『おばさんと目も髪の色も違うのは、お前がおばさんの本当の子供じゃないからだ』と。  大人たちからは、陰で『母さん(あの人)はどこかの金持ちの愛人で、(あの子)はその間に生まれた私生児』だと。  だから母さんに聞いたんだ。  『僕はどうして母さんと目の色も髪の色も違うの?シセイジってなに?』と。  すると母さんは『瑞稀のパパはね、それはそれは綺麗な青い瞳に、シルバーの髪だったのよ。だからね、瑞稀はパパに似て、とても綺麗な瞳に髪をしているの。瑞稀はパパとママの大切な大切な宝物よ』と言ってくれた。  でも僕は覚えてないんだ。父さんの顔を…。  どんなに周りに『僕はパパ似なんだ!!』と言っても信じてもらえない。写真を見せても『その人が本当のお父さんかどうか、わからないだろ?』と、酷い言葉を投げつけられる。  だから僕は心を閉ざし、何を言われても、心がボロボロになっても何も言い返さなくなった。  そんな時、晴人さんが言ってくれたんだ。 「瑞稀の髪の色も瞳の色も肌の色も、俺は大好きだよ」と。  母さん以外に初めて言われた。  僕の瞳も髪も肌の色も、大好きだと。  僕が落ち込むたび、晴人さんは言い続けてくれた。  寒く凍えるような僕の心を、晴人さんは温かく優しい笑顔で僕を包み込み、溶かしてくれた。  晴人さんは僕にとって太陽のような人。

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