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第2話 ??

 仕事帰り、男は舎弟(部下)に車の運転をまかせ車内からぼんやりと景色を眺めていた。外気の差があるせいか窓ガラスは少し曇っている。  高層ビルから少し離れた住宅街の人通りの少ない道へ車が入ると、キーと鳴るブレーキ音とともに車が急停車した。 「あっ…………ぶな!!申し訳ありません!会長、少女が倒れて道を塞いでいるためこの先、前へ進めません。」  ルームミラーには吃驚した舎弟の顔。舎弟が答えを求めるように振り返ると、男は車から降り少女のところへ向かう。ちょうど道を塞ぐようにボサボサの子供が力なく倒れている。この時間帯だと酔っ払いがたまに倒れているがそうではなさそうだ。 「これって、私が轢いたわけではありませんよね?というか死んでます?」 「息はしてそうだが…」 「どうします?いますぐ救急車を──」 「待て。これは…」  この時期には合わない服装。長く伸びた髪は踵まで届き、とてもいい扱いをされていたとは思えない。  走って転んだからか足や手は血だらけ、足には足枷、首には首輪がはめられていた。よく見れば首輪にはNo.027と記されている。どうやら訳アリらしい。 「……………ん…」  少女が男達のことを気付いたのか、何かから逃れるように弱々しく両脚を引きずり少女の腕の力で進みだす。コンクリートに広がる血は少女のものだろう。 「おい、大丈夫か?お前────」  会長と呼ばれていた男が少女に話しかけた時、少女は脅えたショックからか気を失った。 「会長どうしますか」 「…俺の家へ連れてく」  そう言って男は少女を抱きかかえる。訳アリなら警察には頼れないだろう。  少女の長い前髪がさらりと流れ、隠れていた顔が現れた。長いまつげと白い肌はヘッドライトの光によって白く光って見える。それは月の光のようであまりにも美しく「綺麗だ…」と心の声が漏れてしまった。 「会長?なんか言いましたか?」 「いや、なんでもない…」

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