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最後のレッスン
【青木サイド】
青木「これ勇人?」
伊織「すみません……ちょっと目を離した隙に寝てました…」
青木「何か持ってないか?」
伊織「遠藤先生が勇人にあげた追加のジェルです」
滅菌カップに入れてもらったジェルを大事そうに握りしめてスヤスヤ昼寝している勇人にバスタオルをかけてやった
俺のレッスンまでまだ時間があるからゆっくり休ませておこう
最近お昼寝してなかったけど、今日はよほどくたびれたのだろう
青木「勇人、一度寝ると起きないだろ笑」
伊織「声かけてもぴくりとも」
青木「そうなんだよ笑。A班の眠り姫だからな」
伊織「姫いつ起こします?」
青木「あと30分ってところかな」
伊織「はい」
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【勇人サイド】
むにゃ むにゃ……
伊織「ひめー…ひめさまー…」
勇人「………」
耳元が痒くて手で払いのけるとペチンと軽く何かにぶつかった
勇人「…………」
伊織「いたっ笑」
どうやら伊織先生をペシンしたらしい
勇人「あ………」
伊織「目覚めた?」
フリー室にいたことを徐々に思い出してきたけど、記憶が飛んでる……
勇人「…………!!」
しっかりと握りしめていた白いカップを見て全てを思い出した
遠藤先生からもらったジェル!!
伊織「勇人2番レッスン室ね」
えゔ。起きてさっそくレッスン。。。
げーーー。
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【勇人サイド】
レッスンは普段の治療とはやり方が違くて基本自分で進めなくちゃいけない
周ってくる先生に分からないことの相談とかアドバイスをもらうスタイル
自分でやるっていうのが……
めちゃくちゃ苦手ー。。。
勇人「(ぽけーーー。。。。)」
ガラガラ
勇人「!!!!」
青木「何ボーッとしてる。時間の無駄だぞ」
勇人「考えてた」
青木「それが時間の無駄だって言ってるんだ。レッスン入る前に考えておけっていつも言ってるだろ」
まったく…厳しいんだからー、、、
勇人「加藤先生に何か練習してって言われたの思い出してたの」
青木「思い出せたのか?」
勇人「まだ」
青木「思い出せる自信はあるのか?」
勇人「…………ない」
青木「…………。」
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