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★第20話 お風呂

湯がはり終わったので、橘に声をかける。 先に入るよう言われて、那央は軽くシャワーを浴びると、湯船に浸かった。 深呼吸をする。 橘とは付き合っているとは言え、一緒に過ごす時間は少ない。 橘に休みが無いので、デートも行く時間が無い。 一年だけ……とは言え、少し寂しい。 そう思っていたら、橘が来た。 橘はお風呂場の電気を消し、脱衣所の明かりだけにして薄暗くした。 シャワーを浴びる橘をチラッと見る。 男らしい体つき。 シャワーを持つ大きな手や、体をなぞる細くて美しい指を見てるとなんだかドキドキする。 橘は、向き合うように湯船に入ったが、すぐに「おいで」と言って那央を引き寄せた。 キスをする。 唇をはみ、舌を絡ませる。 橘は唇をジュッと吸った。 「んっ!」 痛みと快感が入り混じる。 体がビクッとなって、下半身の力が抜けていく。 橘は那央の背中を優しく撫でて、お尻のふくらみに触れた。 橘に触れられて、じわじわと興奮してくる。 もっと橘とくっつきたい。 「体洗ってあげるよ。」 そう言われて、那央は椅子に座った。 橘は後ろで膝立をしている。 橘はスポンジでボディソープを泡立てると、那央の首元に泡を乗せて、素手で体を洗い始めた。 橘のソフトな指使いが絶妙で、ソープのぬるぬると橘の繊細なタッチでゾクゾクする。 「タ、タオル使わないんですね。」 「なんか、ゴシゴシするの良くないみたいだよ。俺はいつもこうしてる。」 プレイじゃなかった…。 橘にとって普通のことなのに、自分は興奮しているのが恥ずかしい。 脇から胸に手が伸びる。 乳首に触れられて、「あっ」と声が出てしまった。 さらに優しく乳首を撫でられる。 「あ……うっ……。」 これは、わざとだよね……。 俺だけエロいんじゃなくて、ちゃんと橘もそういう気持ちになってるんだよね、うん…。 いつも自分だけトロトロになって、橘が平常心を保っていることが多い。 本当は、もっと乱れた橘も見てみたかった。 「那央……気持ちいい?」 「はい、あ…っ!」 話してるそばから、橘は那央のそれを握る。 温かくて、でも力強い手に握られて、那央の腰は自然と反った。 橘は人差し指で先っぽをなでた。 「ふあ……!」 乳首の快感と相まって、体がビクビクする。 思わず足を閉じてしまう。 「感じてる那央、可愛いよ……。」 耳元で囁かれる。 橘の息遣いから、橘も興奮していることがわかる。 橘がいつもより低い声になるときは、スイッチが入った証拠だ。 橘が那央のそれを少し強く握ってしごき始める。 「あぁ……っ!」 他人にされること自体が恥ずかしいのに、橘がしてくれることでより恥ずかしさが増す。 橘の前では少しでも釣り合うようにカッコよくありたい。 でも、二人きりになればいつもこんな自分になってしまう。 「はぁ……はぁ……はぁ……。」 イキたいところをなんとか耐えた。 自分がイク前に、橘にも気持ちよくなって欲しかった。 「……気持ちよくなかった?」 「イキそうなんですけど……。先輩に何もしてなくて自分だけイクのはちょっと……。」 橘は耳を舐めてきた。 「あんっ!」 「そんな無理しなくていいのに。俺は那央が気持ちよくなってるのを見るのが好きなんだから。」 耳の形に合わせて舌でなぞられ、吐息がかかる。 時々唾液のクチュクチュした音が響いていやらしい。 「うん……でも那央がそうしたいなら、我慢くらべしようか。」 「我慢くらべ?」 「そこに座って。」 バスタブのふちに座るよう促される。 橘は跪いて座った那央の膝を開かせた。 「ええ!ちょっと……!」 「ここで我慢できたら那央の勝ちね。」 橘はニヤッと笑うと、那央の先っぽを舌で舐めた。 「あっ!ちょっ!」 足をバタつかせるが、橘の手がそれを押さえ、自分もバスタブに落ちないように手で支えると逃げ場がない。 橘は唇で優しく先端をはんだり、硬くなった舌でさおを撫でてくる。 「うあっ!あっ!」 もう我慢くらべは9割負けが決まった。 橘は那央のものを咥えた。 舌でくちゅくちゅと愛撫される音が浴室に響く。 日常ではあの形が良くて上品に微笑む橘の唇が、キスの時は急にいやらしくなる。 さらに今は那央を求めて淫らに吸い付いてくる。 橘の手がサオを押さえ、強く上下させた。 「やっ!あっ!もう、ダメっ!あっ……!」 那央から放出された液が橘の口元を濡らす。 「ご、ごめんなさい……!」 恥ずかしさと快感で頭がごちゃごちゃになる。 「大丈夫だよ。こうさせるつもりだったんだから……。」 橘は指で自分の口元を拭いながら、さらに那央のものを優しく舌で舐め、キレイにした。 結局、また橘に何もしないまま自分だけ気持ちよくなってしまった。 「那央の負けだからね。諦めて、素直に気持ち良くなるんだよ。」 湯船に入るように促される。 今度は後ろから抱っこだ。 頭がボーっとする。 橘が頭を擦り寄せて来た。

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