47 / 83
第47話 初夜 ⑦
「愛しいユベール……」
耳元で囁かれると全身が痺れていき、耳を甘噛みされるとビクッと身体が震えた。
首筋から肩を通り横腹を、触れるか触れないかの力で殿下が指で撫でていく。
身体がふわふわと浮くような感覚に陥る。
もっと触って欲しい。
もっと触って、知らない世界に連れて行って欲しい。
「ぁ…ぁっ……はぁぁ……ぁっ」
殿下の指が何度も身体を這わされれるほどに、熱い吐息が漏れ始める。
「アレク、様…それ…変な…気持ちに…なり…ます…」
下腹部に何かが集まってきて、お腹の奥がきゅっと締まる感じもする。
気持ちいい。
その気持ちよさに流され続けたい。
アレク様の顔が見たくて振り返ると、視線がぶつかる。
「嫌か……?」
「あッ……っ」
這わせていたアレク様の指が、次第に啄むようなキスになり、下腹部の刺激が楔に集まる。
「変…です……。|楔《ここ》が。変、です……」
今まで体験したことのないような疼き。
自分がおかしくなってしまいそうで、もうやめて欲しい。
でももっと触って欲しい。
アレク様の優しい唇の感触が全身に伝わって、ゾクゾクが止まらない。
やめないで欲しい。
もっとして欲しい。
反応し硬くなってきた楔に手をおいた。
「少し苦しそうだな」
「あッッ……ああ……ッ」
後ろからアレク様に抱きしめられ、急に乳首を指で捏ねられる。
乳首と同時にもう片方の手で楔を扱かれ、身体がビクンと大きくはねた。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
頭の先からつま先まで、得体の知れない快楽が一気に駆け巡る。
「怖いか?」
頭を撫でられながら耳元で囁かれると、もうそれだけでとろけてしまいそう。
問いかけにフルフルと首を横に振ると、
「いい子だ」
そう言って殿下は僕の耳の裏に口付けをした。
アレク様に褒められると、先程の快楽とはまた違う満たされた気持ちが満ち溢れてきそう。
もっと褒めて欲しい。
頭を撫でて、耳元で囁いて、僕だけを見て欲しい。
「もっと……褒めてください」
「!」
背後でハッと息を飲む気配がした。
「いい子だユベール。俺に身体を預けて」
もっと褒めて欲しくて、言われた通りに身体の力を抜いて、大きくて逞しいアレク様の体に身を任せる。
乳首を捏ねられたり弾かれたり、強弱をつけられながら楔を扱かれると、行き場のない快楽が身体の中でどんどん大きくなっていく。
気持ちよすぎて頭が働かない。
後ろから抱きしめられ、アレク様の心音が背中ごしに伝わってくる。
「ハァァ……ウん…はぁぁ…ああ……」
今まで感じたことのない刺激に、熱い吐息と甘い声が大きくなっていく。
楔をしごかれる度に脚を大きく開いてしまい、楔の裏を暖かなものが伝うのがわかる。
自分の声ではないような喘ぎ声を、アレク様に聞かれたくなくて手で口を塞ぐが、どうしても声が漏れてしまう。
「ひゃ……あ、ぁぁ……ぅふ……んあっ」
こんな声を聞かれるのは恥ずかしい。
抑えなくては……。
両手で口を塞ぐと、楔を擦るアレク様の手が早くなり脚はガクガク震え、もうどうしようもなくなってくる。
「声を我慢するな」
ともだちにシェアしよう!