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第83話 重なり合う ②

「中が切ないのか?」  アレクは僕の頭を撫でる。  くさびを咥えたまま頷くと、抱き上げられそのままベッドに押し倒される。 「好きだ」  唇と唇が重なる。  どちらともなく口を開くと舌を絡め合い、唾液が混じる音がする。 「う…ぅん……ンン…」  息が止まりそうになるほど深く口付けられ、身体の力が抜けていく。  それでも求められるのが嬉しくて、アレクの首に腕を回した。肌と肌が触れ合うのが、今までよりも気持ちいい。 「今日は抱くぞ。いいか?」  そう言われただけで、これからされることへの期待で胸が高鳴る。 「うん」  そう答えるとアレクは僕の耳を甘噛みし、耳の中にふぅ~っと息を吹きかける。 「は、ぁぁ…」  ずくんと楔の根本が疼く。  アレクは首筋に啄むような口付けをする。  肩に、鎖骨に脇腹に……。  優しく、時折きつく吸われて、甘い吐息が漏れた。そして乳首を軽く口付けされると、 「あ…っ」  甘くい声が漏れてしまった。  乳首を口に含まれ、舌先で転がされ、甘噛みされ、じゅるりと吸われる。もう片方の乳首は人差し指と親指で摘まれ引っ張られたり、乳首の先を爪で引っ掻かれたり。 「う…ぅ、ん…ふぁ…ぁぁ……」  熱の塊が乳首の根本から、楔の根本に広がた。早くそこを触って欲しくて、足元がもじもじしてしまう。 「ユベールは乳首(ここ)好きだろ?」 「ひぃ、やぁぁ……」 「好きか?」 「好…き…、吸われるの…好き……」  乳首を吸い上げながら訊かれると、自分がとてもいやらしいのを気付かされる。  でも、もっと虐められたい。 「もっと…舐めて…」  我慢できずにアレクの顔の前に、乳首を突き出してしまう。  アレクは愛おしそうに微笑むと、尖らせた舌で、円を描くように乳輪を舐める。  気持ちいい。  でも違う。  期待している刺激は、もっと身体の芯を熱くするもの。 「ちが…う…」  羞恥心に襲われながらも、また乳首を突き出す。 「違う?どうして欲しいんだ?」  アレクは乳首に息を吹きかけるだけで、何もしてくれない。 「もっと、気持ちよく…して…」  そういうとアレクはにやりっと口角をあげ、僕の両太腿を大きく開かせ、 「ああ……ぁぁ…っ!」  快楽で反り返っている楔を、アレクは口淫した。 「ちがっ…ダメ……、ああ…や、だめ……」  アレクの口から楔を抜こうとしても、アレクがガッチリと腰を掴み離してくれない。  睾丸を揉まれながら尖らせた舌で裏筋を舐められると、涙が出るほど気持ちいい。 「はぁぁ、ああ……ァン…」  蜜口から透明な蜜が滲み出すと、アレクはその蜜を人差し指につけ、指の腹で先端を撫でる。 「んんぅ、あっ…あぁ…っ、気持ち…いい…」  時折爪で蜜口を広げられるたびに、甘い叫声をあげてしまう。  先端ばかり弄られていると、急に口で咥えこまれ吸い上げられる。  予期せぬ快楽に内股が痙攣し、蕾がパクパクと蠢く。 「アレク、だめ、抜いて…、ダメ…っ、あ、あぁっ…イく…い、いくぅぅ~~っ!」  太腿を痙攣させながら、アレクの口の中に蜜を放ってしまい、アレクは喉を嚥下させながら蜜を飲み干す。 「アレク、もう…我慢、できない……」  はしたないとわかっていている。  でも自分から進んで四つん這いになり、アレクに双丘を向けると両手で押し広げ、縦に割れた蕾を見せつける。 「解さなくていいから、もう、挿れて」  そう言ったのにアレクは楔は挿れてくれず、蕾の周りを指で撫でた。 「可愛くおねだりしてもダメだ」  耳元で囁き、ぷつりと指を入れる。  媚肉を押し上げるように広げられ、足の先からと熱が込み上げてくる。  でも欲しい刺激じゃない。 「早く…早く、挿れて…」  アレクの指がより奥に入ってくるように腰を振る。 「ダメだ。たっぷり解さないと」  一本だった指が二本に増やされ、弱いところをぐっと押されて、腰を大きく反り返す。 「ほら、こうしたらもっと気持ちよくなるぞ」  そう言い終わらないうちに、アレクは媚肉と楔を同時に擦る。  「ひぃ、やぁぁ…あぁ…っ」  頭が焼き切れそうな刺激。シーツを掴み、そこから逃げ出そうと思うのに、その力が出ない。  楔から滴る蜜がアレクの手の中で、グチュグチュと音を鳴らし、媚肉の中の液も蕾から流れ出て太腿を伝う。 「ふ、んん…ぁ、あぁぁ…はぁ…ぁぁ」  指は三本に増やされ、弱いところを不規則に押される。もう頭の中は何も考えられない。  ただただアレクの手に翻弄されるだけ。 「アレク…もう、挿れて…、ぐちゃぐちゃに、して…、アレク…しか、考えられないように…してっ!」  中が切なすぎて苦しくて、涙が浮かんでくる。 「優しくしたかっただけで、泣かせるつもりはなかったんだ」  アレクは優しく頭を撫でてくれてから、蕾に楔の先端を当てる。  やっとアレクと繋がれると思うと、背中がゾクゾクとわななく。  ゆっくりと楔が入ってきて媚肉を押し広げ、アレクの形に変わる。  じわりじわりとこじ開けられ、指が届かなかった場所も広げ、弱いところをカリで引っ掛けたと思った途端、 「んっ、ああぁぁ…ーーーっ」  一気に最奥まで貫かれ、目の前に火花を散らせながら楔がから蜜が放たれた。全身が粟立ち、ガクガク震える。  まだ余韻が残っているのにも関わらず、アレクは止まることなく、深く浅く楔を律動させる。 「アレ、クっ…まだ、イッ…てる…ひぃや、ぁぁ…っ」  早く挿れて欲しいといったけど、こんなに早急にされると意識が飛びそう。  打ち付けられるたび、叫声に似た喘ぎ声を出してしまい、閉じられない口角から唾液が流れた。  弱いところをごりごりと突き上げられ、虐められる。耐えられない快楽の波に襲われる。 「もう、もうっ…また、イッく….イクうぅ…~~っ!」  頭の先から足の先まで電流が走り、腰の中で熱い塊となった悦楽が楔の先端からはぜた。  達したばかりの媚肉はアレクの楔を締め上げ離さず、アレクは律動を緩めず、より早める。 「ダメ…っ、アレク…、イクっ…また…また…っ、あああ、あぁぁ…ーーーーーっ!」  蜜を放ちながら頭が真っ白になり、気が遠くなる。全身が小刻みに震え、これ以上は無理だと感じた。 「アレク…、もう、もう……」  もう無理。  そういいたいけれど、喘ぎすぎて言えない。 「止まっ……って……」  哀願しても止めてもらえない。止まらない律動と共に背後からアレクの荒い息が聞こえ、その息遣いでより感じてしまった。  急に身体が宙に浮いたかと思うと、あぐらをかいたアレクの膝の上に対面になるように座らさせれ、挿入される。 「あ、あっ…ひぃ……ぃ、あぁぁ~~っ!」  最奥の壁をさらに押し上げられ、限界まで身体を仰け反らせで達してしまう。  この体勢で突かれ続けたら、どうなるのだろう。  そんなことが頭を掠めたが、気付くより先に最奥を何度も何度も突かれ、ぐりっと押し込まれ、その度に絶頂へと誘われ、もう蜜が出ないほどイキ狂う。 「アレク……アレク…」  名前を呼べば、 「愛してる。ユベール愛してる」  口付けを交わしてくれる。快楽と幸せが入り混じり、涙が溢れる。  「アレク…愛してる……」  自ら腰を揺らして、アレクをより奥で受け止める。身体の芯から快楽で震え、絶え間なく与えられる快楽が電流のように身体を貫く。 「アレク…もっ、無理……、中に、中に出し…て…っ!」  欲しい。アレクの精を最奥にぶち当てて欲しい。 「愛しいユベール、一緒にイこう…」  コクコクと頷くと、僕をベッドに押し倒し覆い被さりながら、媚肉を擦り上げる。  蕾近くまで楔を抜かれて、そのまま一気に弱いところもすぼまった媚肉も広げられ、最奥を楔の先端で押し込まれる。  汗ばんだ互いの肌が触れ合い、一つになってどこまでも溶けてしまいそう。 「ん…ンン…ふぅ…ぅん…」  深く口付けをされ舌を吸われると、喘ぎ声がアレクの口の中にこもる。  口付けをされながら律動されると、身体の中で淫楽が蠢き波のように襲ってくる。 「ああっ…ああ…っ」  熱を帯びた身体が甘く痺れ、たまらない。もう快楽で、身体がバラバラになってしまいそう。 「あっ、ひぃ…ダメ……壊、れる…壊れ、ちゃう…っ、イく…イっちゃ…うぅぅ…っ!」  アレクの首に腕を回すと、アレクは抱きしめ返してくれる。 「ユベール、俺も限界だ。一緒に、イこう」  荒い息遣いでアレクがそういうと、一段と大きく腰を振り、 「んんああぁああ…っ!」 「っつ!」  二人同時に達し、僕はアレクの精を最奥で受け止めると、そのまま意識を手放した。

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