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閑話その1-1 開発された俺*
*これから先性的な表現を含みます。苦手な方は注意してください。
「はっ。。こらっ。もぉ、イッたから。イッたのに、。ぁあっ!!」
ベットの中で悶えるように身をよじっても安住は俺を離してくれなかった。それどころかさらに追い打ちをかけるように腰を打ち付けてくる。
「うん。わかってるよ。でも健吾はイッたあと、このまま刺激を加えるとキュッとナカイキするでしょ?」
だからそれが嫌だってんだよ。イき過ぎてしまうから。なかなか元に戻れなくなってしまう。そんな痴態を見せ続けるなんて恥ずかしいじゃねえか!
「大丈夫だよ。僕しか見てない。きっと、恥ずかしいとか思ってるんでしょ?可愛いよ。めちゃくちゃ可愛い」
何が可愛いだ。三十過ぎのおっさんに可愛いなんて言葉は似合わない。
「愛してる。健吾っ健吾……」
甘い声で囁かれるほど俺の身体は反応する。鼓動が早くなりビクビクと身体の奥が痙攣し安住のモノを締め付けてしまう。襲い来る快感でおかしくなりそうだ。
これが開発された身体って言うんだろうか?確かに以前とは全然違う。倉沢に触れられるとスイッチが入ったように身体が反応していく。俺は多分もう女は抱けないだろうな。なんて考えてると真顔で倉沢が見つめてきた。
「全部責任とるから」
こいつは最近読唇術が使えるんじゃねえかと思うくらい、俺の心を読み解いてくる。
「俺が好きでこうなったんだ」
責任取るとかってどっちか一人だけのせいじゃねえのにな。
「うん。でも僕以外とシないで」
「お前俺がそんなに尻軽だと?」
「違う違う。逆だよ。最近艶っぽくなってきてるから心配なんだよ」
「そんなのお前だけだよ。俺みたいなオヤジ。誰が相手にするんだよ」
「これだから無自覚天然は目が離せないんだ」
俺から言えば安住の方こそイケメンでモテまくりなのに。今でも女性に人気で、冷たい印象の俺とは正反対で優しそうに見えるらしい。どうやら傍目には俺が安住を抱いてると思われてるみたいだ。
◇◆◇
倉沢はいつまでたっても自覚がない。僕に抱かれるたびに艶をふりまいていることも気づいていない。以前も綺麗な横顔に振り返る相手は多かったが最近はその数もかなり増えた。それも男女共にだ。
「前回の企画の女性に優しい商品。あれ実現できそうだぞ。今回は女性社員の皆にも意見を聞かせてもらえて大変役に立った。ありがとう」
倉沢が女性社員たちに話をしていた。この部署も大きくなるにつれて経理や事務に女性も増えた。取り扱い商品も増え、ときどき企画にも参加してもらっている。
「っと、言う事で。まずは君たちに試作品を使ってもらおうと思う」
倉沢が試作品の入った紙袋を女性たちに配ると彼女らが声を上げた。
「え?これって駅前のお店の商品券も入ってませんか?」
「はは。見つかったか。それはオマケ。日頃の君たちに感謝を込めて。女性って男性よりも身体の周期が変わりやすいからね。心身のケアも込めて。好きなモノ購入して気晴らしにしてくれ」
「わあほんとですか!」
「もらってもいいんですか!」
「ああ。そのかわり、試作品の使い心地や改善点を俺と安住に教えてくれよ」
倉沢がふんわりとほほ笑むとまわりからため息が聞こえる。
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