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4日目:キツいお仕置き

 「シンジ。テメェ──あれだけ勝手にイくなって命令したのに、ご主人様(マスター)の言いつけを破ったな…?」  「ヒッ…、ごめんなさい!申し訳ありません、ご主人様(マスター)…!…お許しください──!」  喉を使う性技は、うっかり気の緩みを生みやすいのだということを初めて知った。    調教室のベッドの上で、仰向けになったザラキアの身体を跨ぎ、尻を突き出す形で彼の股間に顔を埋めて奉仕する。いわゆるシックスナインと呼ばれる体位で、ザラキアの目の前に恥ずかしいところが余さず曝け出されてしまっていた。  はしたないことだと解ってはいても期待感にヒクついてしまう両脚の間の窄みを、ザラキアは『覚えのいい、エロいメス穴』だと褒めてくれる。屈辱的なはずの言葉に、いつしか歓びを感じるようになったのは何故なのだろう。シンジには解らない。  恥部を間近で見られて恥ずかしくない訳ではなかったが、今は、主人の牡茎に喉で奉仕することが第一だ。昨日仕込まれた通り、手で支えたザラキアの長大な牡の部分をゆっくりと咥え、首を上下させて高めながら、苦しげに顔を寄せて意識的に喉の奥を開いていく。  後ろの穴には長い指が一本埋め込まれ、ぬちぬちと出入りしていた。こそばゆい快楽に(うめ)きながらも、必死で喉の奥まで熱い切っ先を受け入れ、きゅっと締め込むように喉を使う。今日は自分で動かせ、と言われた通りに一生懸命に顔を揺らしてちろちろと舌で舐め、喉全体で太い牡幹を包んでじゅぽじゅぽ扱くことに熱中していると、不意に、ザラキアの指がシンジの注意を引くようにグリ、と張り詰めて熟れたスポットの上を押し込んできた。  「そうじゃねぇ、舌はもっと、こう使え。こう、だ。」  「──ふぅ、…ッ…!」  四つん這いの身体の奥をグリグリと刺激しながら、琥珀色の片手がシンジの、既に張り詰め切った牡の器官を握り締めてくる。舌使いを教え込むように指先で裏筋をなぞられ、掌の中でごしごしと擦られた弾みに、二点責めの快楽に弱い身体から、絶対に堪えていなければならないものがうっかりと堰を切ってしまった。  あ、そこダメ!とビクン、と身体を震わせたときにはもう遅い。腰の奥からせり上がって込み上げてきた熱いものを、シンジはもう我慢することができなかった。  「ん──ぐゥ─うぅ──っ…!」  「──あッ…この!勝手に出しやがったな…!おい。いつ誰がこっちでイッていいって言った?あァ?」  「ッ…も、申し訳…ありません…ッ、ご主人様(マスター)!」  ザラキアの褐色の胸肌の上を、うっかり漏らした少量の白濁汁で汚してしまったことを悟って、顔からさっと血の気が引く。慌てて唇を離し、振り返ろうとした尻の上に、すかさずピシャリと乾いた音を立てて強い平手打ちが浴びせられた。  「──ひっ…、痛ぁ…ッ──!」  「俺は、初めの日に言ったはずだ。勝手にイッたらお仕置きだ、となぁ──。来い、お前のこのだらしねぇモノを、きっちり(しつ)け直してやる。」  勝手に精液を漏らした奴隷を(にら)むザラキアの声にも眦にも、見たことのないほどの厳しい険が宿っていた。低く凄味のある怒声を浴びせられ、恐怖に竦み上がるシンジの腕を掴んで、ザラキアは無理矢理にあの分娩台のような形をした調教台へと引き摺っていく。  手首を、足首を、椅子型の器具にガッチリと拘束されてしまえば、後は台の動きによって無理矢理両脚を割り開かれるしかない。勝手に射精してはいけない、という言いつけを破った性奴隷に与えられるというきつい罰には見当もつかず、ただ、これから恐ろしい目に遭わされるのだという恐怖で、シンジの全身は小刻みにカタカタと震えていた。

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