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エピローグ:花嫁の特権
「っく、──ふぅ…んッ──。…ンンっ──。」
ぴったりと触れ合う唇から感じる、ザラキアの息遣い。口の中で舌を絡ませるのがこれほど気持ちいいことなのだと、生れて初めて知らされる。
ピチャピチャと口の中を掻き回してくる舌先で、咥内の粘膜をまさぐられると、頭の中がぼうっとしてきた。はしたない、恥ずかしいと思っても、唇の端から混じり合った唾液があふれ、つうっと伝わり落ちてしまうのを止めることはできない。
頭の中がぼんやりして、気持ちのいいことしか考えられなっていくのは、幾度もこくんと飲み下した淫魔の唾液がそうさせているのだろうか。
『──あぁ…、ディープキスされるの、気持ちイイ…。口の中まで優しく犯されてるみたいで、すごく、熱くて…頭が変になる…。』
一生懸命舌を使っても、何も知らないシンジの未熟で拙 いキスのテクニックでは、どうしてもザラキアに全てを任せることになる。口の中で舌を絡め取られて捻じ伏せられ、口の天井までチラチラと小刻みに舌先で擽られると、それだけでザワリと腰の辺りに熱が集まってきて仕方がない。いや、下半身ばかりか、乳首や、身体の内側にあるスポットまで、この先の快感を求めてズクズクと疼き出す。
そしてそんな反応は、身体を重ねて覆い被さっているザラキアには丸分かりだった。唇が離れ、ぷは、と息継ぎをするシンジの下半身で頭を擡 げつつある牡茎を長い指で絡め取り、全体をごしゅごしゅと強く扱き立ててくる。
「ひぁ──ぁんっ…!ご主人様 ぁッ──!ッ、それ、気持ち…イイです…っ…!」
「…やっぱり、お前は最高の淫乱奴隷だな。ファースト・キスだったのに、キスしただけでおっ勃てやがって…。さて、契約は完了した。終生奴隷の首輪は、お前が死ぬまで外れない。シンジ、お前の身体には、まだまだ調教の余地が残ってる。この弱いモノも、突っ込まれてイキ狂うエロい肉穴も、すっかり俺様好みの性奴隷に躾してやるからな…!」
「やぁ──、ううぅん…っ…。恥ずかしい──、けど、嬉しいです、ご主人様 …。僕、ちゃんとご奉仕できるように、頑張ります…っ!」
すっかり勃起した牡茎を弄っていた長い指が、ローションをたっぷりと塗して、まだ窄まったままの後ろの穴にズプリと潜り込んでくる。弱い刺激だというのに、キスで高められた身体には緩い痙攣が走った。それを感じ取ったのだろうザラキアが、クックッと肩を揺らして小さく笑う。
「このエロ穴も、トロットロの名器に仕立て上げてやる。もっとも、俺のよりデケェのを挿れるつもりはねぇ。ハメた時にキツキツのまま、蕩けるような上等の穴にしてやるよ…。嬉しいか?」
「ひぃッ──、う、嬉しい…ですっ…!セックス、されるの…大好き…っ──!」
こりっと硬くなった性感帯のスポットの上を指の腹ですりすりと撫でられ、シンジは仰け反りながらザラキアの首筋に抱きついた。
「あぁ、そうそう。終生奴隷…ソドムの花嫁には、幾つか特権がある。まず、売り物じゃない終生奴隷の身体は他人にそう見せるもんじゃねえから、腰布を身に着けて、出歩く時はサンダルを履いていい。金銀宝石の飾りも、主人の好みに応じて。──そんで、自分の主人を、名前で呼ぶことが許されてるんだ。解るか?」
「う…ぅうん──ッ…。──名…前──?」
肉壁に息づくスポットの真上を指先でグリグリと押し込まれ、快楽のあまり軽く目の前を明滅させながら、ザラキアの言葉をぼんやりと反芻する。奥の穴を慣らす指は二本に増やされ、時々くぱりと肉壁を大きく割り広げながら、そこを奉仕のための性器に造り変えようとしていた。
ザラキアの長い指が、激しく動いて中をグチュグチュとピストンしてくる。息が止まるような快楽にゾクゾクと背筋を震わせるが、そんなに浅い刺激だけではもう満足できない。嫌々と首を横に揺らし、整った黒髪を乱して、ゆるゆると腰をくねらせながら、愛しい主人の背中にしっかりとしがみ付いて大きな声で鳴き喘いだ。
「…ほら、ここを、誰にどうして欲しい?──言えるだろ。」
「ッあ…うぅっ、ご主人 ──、…ザラキア様…ぁっ!僕のスケベな穴…、ザラキア様の、おっきくて、太くて…熱いモノで──奥まで突き刺して、ザラキア様だけのメスにして下さい…っ──。」
「よっしゃ、合格だ。」
感じるあまりぎゅっと引き締まる熱い粘膜の中から、束になった指がずるんと引き抜かれる。代わりに宛がわれる、熱く、硬く、大きな逸物 の感触。
いやらしく解 された奥の窄 みはその温度を確かに覚えていて、涙を滲ませた顔をとろんと溶かしながら、ほぅっと歓喜の溜息を零してしまう。
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