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第2話 ブルーグレーのネクタイ
礼於も夜は、「バー高任」を手伝っている。
今日、傑は黒いシャツにブルーグレーのネクタイをしている。薄いグレーのペンシルストライプのスリーピーススーツの、上着を脱いでいる。
ベストの下に鍛えた大胸筋が窺える。袖を捲り上げているから太い腕の筋肉も見える。
礼於が抱きついて来た。
「ダメ!その格好でお店に行ったらダメだよ。」
「なんだ、どうした?これ、似合わないか?」
「違うよ。素敵すぎる。」
礼於がしがみついて激しく唇を求めてくる。礼於を抱き上げてソファに座って、しばらく激しい口づけを交わした。
「ちょっと待って。これから仕事なんだが。」
「傑が欲しくなっちゃった。」
頭を撫でられて甘えて来る礼於に傑もその気になりそうだ。礼於の耳元に囁く。
「朝まで繋がってたのに、また礼於が欲しくなる。悪い子だ。」
「傑はいつも素敵だけど、今日の格好はまた一段と素敵なんだ。
誰にも見せないで!誰かに盗られちゃうよ。」
「ははは、可愛いなぁ。
じゃあ、何を着たらいいかな?」
「ああん、何着てもカッコいいからなぁ。」
「そう思ってくれるのは礼於だけじゃないか?」
いつも出かける時はこんなやり取りがある。他人から見ればイチャイチャしているだけなのだが二人には大問題だ。お互いに裸でいるのが一番好きなのだ。
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