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第14話 バー高任

「初めて見たよ、傑のそんな顔。」 「なんかお祝いだね。 ミトやロジャー先生にも声をかけよう。」 タカも嬉しそうだった。ずっと傑の事が気になっていた。その深い孤独。 「やっぱりこういう時は小鉄さんの出番だね。 きっといい仕切りをしてくれるよ。」  みんなで披露目の計画を話していると、そこにドアを開けてあの菫ちゃんが入って来た。円城寺をお供に連れている。  いきなり礼於の手を取って 「礼於、会いたかったわ。早くディアボラに戻ってよ。」 「菫ちゃん、他にもお客さんがいるんだよ。 ボク仕事中だ。」 「あら、ごめんなさい。」 ハジメを見つけて 「こちらの方、マスターにそっくりね。 その隣の方はまたイケメンだこと。 この店はお客さんの基準でも有るのかしら。 イケメン以外立ち入り禁止、とか。」  円城寺もタカヒロに眼が釘付けだ。 「キミ、ウチの店で働かないか? レオンも辞めてしまって、人手不足なんだが、キミみたいなイケメンならすぐにナンバーワンだよ。」  円城寺の図々しさも復活しているようだ。 「あのな、タカは俺の嫁さんだよ。 誰にもやらない。」 そう言ってハジメがタカヒロに熱いキスをした。 菫ちゃんが笑いながら 「私、紅一点なのに、この店はレディファーストとかないのね。」 と言っている。そう言えば[バー高任]は圧倒的に男性客が多い。男の世界、だ。

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