14 / 200
第14話 バー高任
「初めて見たよ、傑のそんな顔。」
「なんかお祝いだね。
ミトやロジャー先生にも声をかけよう。」
タカも嬉しそうだった。ずっと傑の事が気になっていた。その深い孤独。
「やっぱりこういう時は小鉄さんの出番だね。
きっといい仕切りをしてくれるよ。」
みんなで披露目の計画を話していると、そこにドアを開けてあの菫ちゃんが入って来た。円城寺をお供に連れている。
いきなり礼於の手を取って
「礼於、会いたかったわ。早くディアボラに戻ってよ。」
「菫ちゃん、他にもお客さんがいるんだよ。
ボク仕事中だ。」
「あら、ごめんなさい。」
ハジメを見つけて
「こちらの方、マスターにそっくりね。
その隣の方はまたイケメンだこと。
この店はお客さんの基準でも有るのかしら。
イケメン以外立ち入り禁止、とか。」
円城寺もタカヒロに眼が釘付けだ。
「キミ、ウチの店で働かないか?
レオンも辞めてしまって、人手不足なんだが、キミみたいなイケメンならすぐにナンバーワンだよ。」
円城寺の図々しさも復活しているようだ。
「あのな、タカは俺の嫁さんだよ。
誰にもやらない。」
そう言ってハジメがタカヒロに熱いキスをした。
菫ちゃんが笑いながら
「私、紅一点なのに、この店はレディファーストとかないのね。」
と言っている。そう言えば[バー高任]は圧倒的に男性客が多い。男の世界、だ。
ともだちにシェアしよう!