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第15話 傑

 礼於は傑に紹介すると言ってグレースに連絡を取った。  彫り師のギニア人、グレースは太ったカッコいいおばちゃんだった。肌の色は真っ黒だ。  タトゥーを入れに来るお客さんが、ホストクラブ「ディアボラ」に連れて来たのが最初だった。  グレースはレオンをいたく気に入って、ひとりでも通ってくるようになった。  フランス訛りの日本語で盛んにタトゥーを勧める。 「うん、ボクがその気になったらね。」  そんな事があって、礼於はタトゥーを彫る事を思いついたのだった。  この前、二人で遅い朝ごはんを食べながら、タトゥーの話をした。 「ボク、傑の背中に龍の刺青を入れたい。 ボクだけが見るの。刺青があると温泉にも入れないよ。プールにも。だからボクだけのものだよ。」  傑の背中に手を入れて撫で回しながら、礼於はそんな事を言っている。 「ヤクザと間違われてもいいなら、背中一面に、礼於の腕にある龍を、大きくして入れようかな。  誰にも見せないよ。風呂は二人だけで入ればいいんだから、温泉は大丈夫。プールや海は ダメかな。」 「うん、きっと素敵だ。セクシーだよ。誰にも触らせないけどね。」 「礼於の肩のタトゥーを見せて。」 脱がされてタトゥーを見られたけどそれだけで終わらない。傑のキスが肩を這う。 「あん、もう感じちゃうでしょ。」 「ふん、感じさせてるんだよ。」 傑が優しく身体中を触り始めた。 「可愛いよ、礼於。」

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