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第27話 愛の証

 二人でシャツを脱いで、みんなに見せた。 セクシーな黒い龍。礼於を抱くように彫られている。礼於は右肩から手首まで入っている。 「凄い龍!あ、礼於のは、傑の眼だ。 龍が大小でお揃いだね。」 二人並ぶとその凄さがわかる。 「もう、堅気には戻れないな。」 「ハジメ、それはないだろ。私と礼於の愛の証だ。ヤクザじゃないよ。」  みんなわかっている。ゲイは未だ結婚出来ないこの国で、カップルは愛の証を模索している。 「素敵だね。もう別れられないぞ。」 「うふふ、覚悟は出来てる。死ぬまで傑と一緒にいるんだ。」 傑に抱かれて礼於が可愛くなっている。  あの奥の老人達にも挨拶しなければ、と傑と礼於は出かけて来た。あの倶楽部。  ハジメとタカも来ている。ミトとロジも遊びに来た。相変わらず、煩くて、華やかで楽しい空間だ。反社の巣窟にならないのは、ここが独特の人脈で成り立っているからだ。普通に遊んでいる客は気づかない。 「今日は嫁を連れて来ました。」 傑が挨拶に来た。 「この前一緒に来た時は、まだ気持ちが固まっていなくてご挨拶が遅れてしまいました。  礼於、です。」 礼於もぺこりと頭を下げる。 「円城寺ってのに使われてたんだな。 大丈夫か?キズモノにされなかったか?」 「えっ?円城寺さんを知ってるんですか?  ディアボラを。 ボク、全然大丈夫でした。大事にされてたと思います。」

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