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第37話 藤尾さん
新しい管理体制になるディアボラには、みんなが希望を持てそうだ。
結局、菫ちゃんの資金力がものを言った。
「私はペイ出来るビジネスしかしないのよ。
ただ、時間をかける事に吝か(やぶさか)ではないわ。円城寺さんが社長よ。そして私の部下。
忘れないでね,儲からないビジネスはしない主義よ。」
宣言した後は、飲めや歌えの大宴会になった。
淳も零士も希望に満ちた笑顔だ。
久しぶりにディアボラは、賑やかな再出発のパーティに夜通し盛り上がった。
菫ちゃんが藤尾さんの肩にもたれ掛かって可愛くなっている。菫ちゃんの髪を撫でながら優しげな笑みを浮かべている藤尾さんに、その場にいた人達は、恋の予感を持った。
「俺はそろそろ帰ろう。
深谷、酒も飲まずに遅くまで大変だったな。
傑と礼於を送って帰ろう。」
「私は送ってくれないの?」
肩にもたれて菫ちゃんが甘えている。
「じゃあ、傑と礼於と菫を送って行こう。」
みんな、かなり酔っていた。
車の中で
「順番は、傑と礼於が最初に降りるんだな。」
傑と礼於をマンションの前で降ろして
「次は菫ちゃん。何処に住んでるんだ?」
「白金だけど、今日は集ちゃんの所に行きたい。」
深谷さんが急ブレーキを踏んだ。
キ,キィー!
「わ、危ない。どうしたの?」
「深谷、ヤキモチか?
菫、言ってなかったか?深谷は俺の嫁だ。
俺はゲイなんだよ。」
「ええー、酷いな。その気になってたのに。
集ちゃん、私、60才でバージンなのよ。」
「どうする、深谷?」
「集さんは、バイですから抱いて差し上げたらいかがですか?」
「おまえはどうするんだよ。」
「隣で見てますよ。」
「ちょっと冗談じゃないわよ!何言ってるの。」
藤尾さんは驚く事を提案した。
「俺は今は深谷一筋だけど、前は女も抱いたんだ。深谷と出会うまでは女好きだった。
菫のバージン、俺が貰ってやろう。3Pはどうだ?
深谷,怒るなよ。愛してるよ。」
「はあー酔いが一気に冷めたわ。
もう、いい男はみんなゲイなんだから。
送ってちょうだい、白金まで。」
結局、何事もなく菫ちゃんを家まで送って帰って来た。藤尾さんは深谷さんをたっぷり愛してあげたそうだ。
この話は、奥の老人達をいたく笑わせたらしい。
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