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第51話 イケメンマッチョ

 これも小鉄と藤尾に任せた、と言った。 VIP室から出て、ステージを眺めた。今日のショーは新人のドラァグクイーンたちだ。小鉄が来て 「傑ちゃんも礼於も楽しんでる?」 さすが、小鉄のドラァグクイーン姿が一段と貫禄を見せている。 「若い子たちも可愛いでしょ。」 「うん、ボクもやってみたい。」 「そうだ、礼於、いい事を考えた。」 小鉄が何か閃いたみたいで、礼於に抱きついた。 「おじ様たちが披露宴みたいなのやろうって言ってるのは知ってるでしょ?」  傑も聞いていた。内輪で盛り上がっては、いる。 「傑ちゃんと礼於、ハジメちゃんとタカ、もちろんロジャーとミト、そして私とジョー、あのレイモンも尊と参加するって。  それから、これはまだオフレコなんだけど、藤尾さんと深谷さんのカップル。主役は、ま、そんな感じかな。」  傑と礼於は驚いた。 「藤尾さんと、運転手の深谷さんが、何?」 「カップルって?」 「ふふふ、藤尾さんはちょっと前までノンケだったの。それをあのイケメンマッチョ、が落としたのよ。」  小鉄たちの間では、運転手兼ボディガードの深谷さんはイケメンマッチョ、と呼ばれているらしい。 「あははっ、いい、そのアダ名ぴったりだ。」 礼於が大笑いしている。 「もう今は藤尾さんの方が、メロメロなんだそうよ。何処に行くのにも離さないらしいわ。 あの、泣く子も黙る、強面の藤尾さんらしくない。可愛いのよ。」

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