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第57話 スカウト

 人の集まる繁華街で女の子に片っ端から声をかけた。原宿の竹下通り、渋谷センター街、新宿歌舞伎町、人の集まりそうな所で張っていると、面白いように女の子が寄ってくる。  2人連れならブスな方に声をかける。声を掛けられなかった方は嫌な顔をするが、ブスな方は変な優越感を持ってホイホイついてくるのだ。 「キミ可愛いね。ボク芸能人のG君知り合いなんだ。紹介してあげるよ。」  そんな事を言ってホテルに誘うと面白いようについてくる。後はヤリまくって 「実はオレ、借金があるんだよ。 親が病気で治療費が払えないんだ。」 とか、言うとお金を用意してくれる。これじゃ足りない,と言うと素直に知り合いの店に行く。土方さんの出番だ。  美人ならキャバ嬢か、ブスでも風俗はニーズがある。女の順応性は凄い。  しばらくすると店のベテランになっている。彼女達が元気に稼いでいる姿を見ると、良心の呵責など全く覚えない。  間に入って風俗店を斡旋してくれる土方さんに、ある日パッタリと連絡が付かなくなった。 天道が 「なんかパクられたみたいだ。」  裏稼業を手広くやって叩けば埃の出るひとだった。円城寺と天道は、顔面蒼白になった。

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