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第61話 死の後始末
そんないきさつの後、警察の手前、土方のいた組にチャイマが表向き詫びをいれ、手打ちになった。もともとチャイマは本国ではキツイ掟を守ったヒエラルキーで固められた組織だが、日本ではまだ寄せ集めのような半グレ集団だったから、形だけの手打ちとシマの割譲で収まったか、に見えた。
上に立つボスがいるわけでも無い。チャイマもこれから若い奴が頭角を表してくるだろう。願わくば、上に立つ者がワニのような酷薄な目をした奴でない事を祈りたい。
バラバラに小競り合いを繰り返している日本の時代遅れな暴力団は淘汰される運命かもしれない。
「俺はゲソ突っ込んだ覚えもないが、土方さんはバックれてるし、天道は死んで、また一人になっちまった。新宿はイヤだな。」
天道の死を乗り越えて、何か始めなければならない。警察は天道の死を、チャイマのガキの仕業だとして、何人か補導して幕引きにした。
天道の親族だという男が、警察を挟んでチャイマに話を付け、香典という涙金で帰って行った。
親はもう亡くなっていると言っていた。遠い親戚なのか文句も言わず帰って行った。
天道の人生が終わった。
円城寺は性懲りも無く、今度は新宿から六本木に変えて、商売しようと考えていた。
「やっぱり、ホストクラブが美味しいなぁ。
俺も男が欲しい。天道のおかげですっかりゲイになっちまった。」
円城寺は天道によって、眠っていたゲイの本能を目覚めさせられていた。
繁華街をうろついて、趣味と実益?を兼ねてホストになるメンバーを物色し始めた。
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