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第63話 衆道
(俺は女が好きだったはずだ。オッパイが好きだ。
あの柔らかくて揉み心地のいい巨乳が好きだったはずだ。)
そう考えても、この頃、女のオッパイに興味がわかない。それよりあの筋肉を撫で回したい欲望から、のがれられない。
(あの傷だらけの身体を撫で回したい。
ああ、ダメだ、こんな妄想。)
髪を掻きむしる。抱きしめたらどんな感じだろう。あいつの口づけは、どんな風なんだ?
藤尾の妄想が暴走している。
「おはようございます。
集さん、よく眠れましたか?」
名都が起きた。走って布団のそばに行く。
「傷は大丈夫か?上手く塞がってるか?」
「集さん、見てください。」
脇腹の傷を見せる。
「どうだ?」
覗き込んだ藤尾の手を取って抱き込んだ。
「おいっ、何するんだ」
抱きしめられて口づけされた。
少し驚いたが、もう口づけに夢中になってしまった。初めてなのによく知っているような甘い唇を貪り尽くしたい。角度を変えて何度も口づけした。
「集さん、これが欲しかったんです。」
「うむ、俺もお前が欲しかった。」
抱き合って、でもその先へ進めない。
パジャマを脱がせて女にするように乳首を口にふくんだ。女が相手なら、感じさせてイカせてやる自信はあるが、何しろ男は初めてなのだ。
お互いの身体を弄りながら、その筋肉に堪らなくそそられる。固い身体が新鮮だ。その傷の一つ一つがセクシーで、感じているのか乳首がピンと立ち上がった。
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