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第65話 衆道
(経験して来たのは、ノーマルなセックスばかりではない。女の身体は知らない所は無い、と思って来た。好き物の女もいた。俺に惚れた、という女も。)
しかし、と藤尾は思う。
(俺は誰も本気で愛した事はないな。
それは寂しい事だった。)
漠然とそんな事を考えていた。
名都は運転の時、いつも持ち歩いているブリーフケースから、ローションとコンドームを取り出した。ゆっくり俺の肛門を解す。
「あ、ああ、恥ずかしいよ。やめてくれ。
指が入ってるよ。」
後ろから抱かれて熱い吐息が耳にかかる。
名都も興奮しているのか,と思うと自分の逸物がこれ以上ないくらいに固くなっている。
首筋に舌が這う。
「あ、ああ、」
思わず声が漏れる。
「いいですよ、声出してください。集さん、かわいい。」
「馬鹿野郎、やめろよ。」
「本当にやめますか?」
指が離れそうで振り向いて口づける。
身体を入れ替えて抱き合って貪るようなキスを繰り返す。
下着を取った逞しい身体で、兜合わせに、もう一度抱き合う。
「気持ちいい。集さん、痛くないですか?」
ローションをたっぷり塗り込めて、亀頭が入って来た。
「凄い締め付け。いいですか?どうですか?」
「あ,いい。いい所に当たっている。
凄い、こんなの初めてだ。」
「一緒にイキましょう。オレ、もう出る。」
名都の射精が感じられた瞬間、藤尾の逸物からも精が放たれた。
「あ,あ,いい。イク!」
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