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第68話 白薔薇

 今日の招待客の中にあの白薔薇さん達がいた。彼女達は特別に、好きなだけ写真を撮る事が許可されていた。アキラは一眼レフ、ハルはムービーカメラを担いで張り切っている。何故か二人共、 犬の着ぐるみを着ている。  みんな可愛いドレスでおしゃれして来てくれた。マーブルちゃんが選んだロリータファッション。千賀子さんも夕子も時枝さんも、お人形のように可愛くなっている。  ミトとタカ、礼於に尊、小鉄に名都、みんなにハグして可愛いアレンジメントの花束を手渡してくれた。  ミトとタカと礼於が、セクシーなドレスに着替えてドラァグクィーン姿になった。    いよいよ始まる。司会は円城寺だ。派手なラメの入ったスーツで、一昔前の漫才師のようだ。 「皆さんお忙しいところ、今日の結婚披露宴にお越しいただきありがとうございます。  今日のテーマはドラァグクィーンショー。パリのムーランルージュを彷彿とさせる素晴らしいショーをご覧いただきます。」  ミトとタカと礼於の三人に尊が加わり、華麗なダンスショーが始まった。この日のために頑張って練習したのだ。80年代のディスコミュージックに合わせて、美しい4人が踊る。招待客の中には一緒に踊り出す人もいる。  盛大な拍手と共にステージ袖に捌けると、反対側から花魁道中が始まった。  禿に手を引かれてゆっくり歩いて来る。衣紋を抜いた色っぽい姿の花魁は、あの小鉄だ。町人を装ってジョーがそばに来る。  重たい衣裳の花魁を抱き上げて口づけした。

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